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あんまり熱いので川辺で涼しんでいたら、やたら甲高いカエルの声が聞こえてきた。 「ケローっ! ケローっ!」 なんだか泣いているらしい、生えた草を踏みつぶしながらこっちに向かっていく。 よく見ると、その後ろから水色のゆっくりが追いかけていた。 「アタイったらゆっくりね!」 どう見てもゆっくりだね。 どうやらゆっくりカエルはあのゆっくりに追いかけられているらしい。 ゆっくりカエルはぴょんぴょん跳ねて逃げ回るが、水色のゆっくりは上下に動かず、そのまま平行に動いて追いかけてる。どうやって移動してるんだ、こいつ? 「アタイったらゆっくりね!」 「ケローっ!」 突然、水色のゆっくりが一回り大きく膨らむと。 口から冷気を吐いて逃げてたカエルを凍らせてしまった。 ……おぉっ、そんなこと出来るのか。 「やっぱりアタイったらゆっくりね!」 「……あ、あ~う~……」 体が冷凍されてカエルの動きが止まっている。水色のゆっくりはそのままカエルに近づいていって……。 あ、食べた。 「あぁあああぁぁあぁあぁあっ!」 「ガジガジ」 「やめっ……たずっ……」 カエルシャーベットはあっという間に水色のお腹に収まっていった。水色の大きさは大体30センチぐらい、カエルも同じぐらいだったんだが……スゲェ喰うな。 「アタイゆっくりだよっ! ゆっくりしてるよ!」 食べ終わると高らかに周りに宣言し始める水色ゆっくり。周りには誰もいないのに誰に言ってるんだ。 水色の体は宙に浮き、その辺を行ったり来たりしている。 こいつ、飛べるのか。 飛べるゆっくりなんて肉まんかあんまんぐらいかと思ったが、他にもいるんだな。 ……。 暴れ回っている水色を見て思う。 こいつがいたら、部屋も涼しくなるんじゃね? ……。 取りあえず話しかけてみた。 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっ? アタイゆっくりだよっ!」 ……それが挨拶なのか? 「ああ、見てたよ。見事にゆっくりしていたな」 「そうだよ! アタイったらゆっくりだからねっ!」 おまえの言ってることはよくわからん。 「なるほど。でもやっぱりゆっくりなら、よりゆっくり出来る場所に行きたいものじゃないか?」 「ゆっ? アタイゆっくりしてるよ?」 「ここもゆっくり出来るけど、俺はもっとゆっくり出来る所を知っているんだ。興味ないか?」 俺の言葉に、水色は眉間に皺を寄せて考えている。よくわかってないらしい。 ……ゆっくりは馬鹿だ馬鹿だと思っていたが。 こいつは、輪をかけて馬鹿だな。 あまりに話が通じないので、掴んで持っていくことにした。 「ゆっ! アタイに何するのっ!」 「冷てっ!」 水色に触った瞬間、手に走る冷たさ。手がくっつくかと思った。こいつ氷で出来ているのか? 急に触れて機嫌を損ねたらしい。冷気を出した時のように顔が膨らんでいた。 「おじさんはゆっくりじゃないね! どっか行ってね!」 いつ俺がゆっくりだって言ったんだよっ! ……ちょっと腹立ってきたぞ。 「お前だって、ゆっくりじゃねぇよ」 その言葉は心外だったらしい。凄い形相でこちらを睨みつけてきた。 「アタイはゆっくりだよっ! ゆっくりしているよ!」 「どこがだよ! 全身氷のゆっくりなんて聞いたことねぇよ! あんこ吐けあんこっ!」 「ムッキーっ! ゆっくりったらゆっくりだよ!」 「だったら付いてきて証明してくれよ。お前がゆっくりだって」 「いいよ! ゆっくりしにいくよ!」 売り言葉に買い言葉。 気づいたら、水色が家へ来る流れになっていた。 俺にとっては願ったり叶ったり……なのか? なんだか間違えた気が……。 家に連れてきて3時間もすれば、自分がどれだけ間違えていたかがよくわかった。 畳の上を歩いたら畳が凍りつく、冷気を吐かせて涼しくしようと思ったら「アタイやすうりはしないよっ!」と言われる始末。それじゃ西瓜でも冷やすかと水色の上に置いたら凍りつき、後々「なにするのさっ!」と怒られる始末。 そして何よりも。 「アタイったらゆっくりねっ! アタイったらゆっくりねっ!」 意味もなく騒いでいるのが最高に鬱陶しかった。 こんなに使えないなんて……。 俺は頭を抱える。正直とっとと放り出したいところだが、体が冷たすぎて触れない。それじゃ勝手に帰るのを待とうと思ったら、どうも家が気に入ったらしく、まるで帰る気配がない。 他のゆっくりなら食べれば済む話だが、正直、30センチの氷を食べるなんて考えたくもなかった。 まさか力ずくで相手に出来ないゆっくりがこんなに扱いづらいなんて……どうしたものか。 ……ん? 「アタイったらゆっくりねっ!」 相変わらず叫ぶゆっくりは放っておいて、俺は思考を走らせ始めた。 そういえば……。 立ち上がり、押し入れを漁り始める。ここに確か……お、あった。 俺は鉄のかたまりを持ち上げると、水色の目の前に置いた。 「ゆっ?」 鉄のかたまりを指さして、水色に言う。 「ここに平べったくて乗れそうな所があるだろう」 「アタイゆっくりだよっ!」 ……まぁ理解したってことだろう。 「お前ここに乗れるか? 無理かなぁ、狭いかなぁ?」 「ゆっ! アタイゆっくりだもん! のれるよっ!」 案の定、挑発に乗って移動する水色。普通のゆっくりなら苦戦しそうだが、空を飛べる水色はあっさりと上に乗ってみせた。 「ほらねっ! アタイったらゆっくりでしょっ!」 「はいはい、そうだね」 乗るのはすげぇ速かったけどな。 俺は鉄のかたまりの頭についているレバーを回していく。 ほどなくして、水色が上から押さえつけられた。 「ゆっ!」 さてと。 用意しておいた器を下に置く。 「何するのおじさん、アタイゆっくりだよっ!」 はいはい。 横のレバーを回し、かき氷を作り始めた。 「あ、ああ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁっ!」 水色が回転し、器に削られた氷が乗せられていく。 「あ゛がががががっ!」 シャリシャリと音が鳴りながら、あっという間にかき氷が出来上がった。 「あっ……あっ……」 おおっ、普通に食えそうだな。えーと……。 出来上がったかき氷を手に俺はふと気づく。 そういえばシロップがなかった……。 俺はかき氷を一端置くと、そのまま外へと出る。 どうせその辺に……お、いたっ! 「みんなゆっくりしてねっ!」 「ゆっ!」 「うん、ゆっくりするよっ!」 そこにいたのは、ちょうど手のひらサイズの子供達3匹を遊ばせようとしていたゆっくりれいむの家族だった。 取り合えず親れいむを蹴り飛ばす。 「ゆ゛ぐっ!?」 変な叫び声を上げて飛んでいく親れいむ。こいつらってよく歪むから、あまり遠くまで飛ばないんだよなぁ。 「お、おかあさんっ!?」 「なにするのおじ──」 有無を言わせず、その場にいた子供れいむをかっさらっていく。 「うわあ゛あ゛ぁあ゛ぁぁっ!」 「なにずるのっ! ゆっぐりざぜでっ!」 「おがあざーんっ!」 子供の声に活性化されたのか、いきなり親れいむが起き上がってくた。元気だなこいつ。 「れいむのあがじゃんがえじでぇえぇぇぇっ!」 シュートッ! 「めぎゃっ!?」 ゴーーーールッ! 綺麗な放物線を描いて、親れいむが飛んでいく。……我ながら綺麗に飛んだな、体歪んでるのにぜんぜん減速してねぇや。 あ、誰かの家に飛び込んだ。 「いやぁあ゛ぁぁあ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛っ!」 「おがあ゛ざあぁぁあぁあぁぁんっ!」 邪魔者を排除して、俺は家へと戻ってきた。 「あっ! どこ行ってたの! アタイをむしするなんておじさんゆっくり──」 煩いのでレバーを回す。 「あぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!」 水色を黙らせて、俺はかき氷を確認する。よかった、まだ溶けてないな。 「おじさん! 早くれいむたちをかえしてね!」 「おじさんとはゆっくりできないよっ!」 「ゆっくりしねっ!」 手に抱えていた子供れいむたちを、そのまま手のひらで丸めていく。 「うぎゃぁあ゛ぁぁあ゛っ!」 「うぷぷぷぴゅっぷぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅっ!」 「やめでうぶあおじあぶげまぜうぎゃっ!!」 しっかり混ざったあんこを、そのままかき氷の上に乗せた。 氷宇治あずきの出来上がりと……。 一口食べてみる。 ……うーん。 普通の氷宇治あずきより喰いづらいが、そのまま氷を食べるよりマシか……なにより甘いしなっ! 「ここか」 「ここだよ! ここに入っていったよ!」 「これで嘘やったらタダじゃすまさへんど」 あん? 玄関の方で声がした瞬間、大きな音を立てて扉が開かれた。 「ゆっくりっ!」 なんだ、さっきの親れいむじゃないか。……あれ? 「ちょっと失礼しますよ」 親れいむの後ろには男が付いてきていた。何だ? 「なんか用ですか?」 「いや、さっきこのゆっくりが窓から飛び込んで来てな。ふざけるなと怒鳴ったら、吹き飛ばしたのは兄ちゃんやって言うんで話聞きにきたんや」 ガラ悪っ! つーかこのゆっくり、あれだけけっ飛ばしたのになんで生きてるんだよ……。 「そう言われても、俺今日ここから出てないですし……」 「なにいってるのさ、さっき──」 レバーを回す。 「あぎゃがぎゃがっ! も、もうやめでよ゛っ!」 余計なことを言うからだ。 「それにゆっくりをけっ飛ばすなんて誰だってやるでしょ、俺だっていう証拠がないじゃないですか」 「まぁそうなんやけどな……」 俺の言葉に面倒くさそうに頭を掻く男。どうも泣きつかせて儲けようという考えだったらしいが、引く様子がないので迷っている。 そもそもガラス代も、この親れいむを加工所に連れていけばちょっとは金になるし、大きな騒ぎにしたくないのが本音だろう。 「ゆっ! そんなことないよっ! れいむを蹴ったのはおじさんだよっ!」 ……煩いのがまだいたか。 「だから証拠がないだろう。何かあるのかよ」 「れいむの子供どこにやったのっ! あの子たちがいる筈だよ!」 「この部屋のどこに子ゆっくりがいるんだ?」 周りを見渡す男と親れいむ。もちろん子ゆっくりなんて影も形も見あたらない。あるのはかき氷に乗ったあんこだけだ。 「ゆっ! そ、そんなはずないよ! どこにいるのぉっ!」 呼び掛ければ返事をしてくれると、親れいむが叫び始める。 その間に、男と目があった。 「……」 手に持っていたかき氷を見せる。 「……」 男は頷くと、そのまま親れいむを片手で鷲づかみにした。どうやら伝わったらしい。 「ゆっ!? な、なにするのお兄さん!!」 「どうやら嘘だったみたいだな……」 その言葉に、親れいむは饅頭肌を青くして震えた。 ……どうやって色変えてるんだ、この不思議生物。 「ち、ちがうよ、れいむうそなんて」 「それじゃ約束通り、加工所いこか」 「いや゛ぁぁぁあ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっ! かごうじょばい゛や゛だぁぁぁあ゛あ゛ぁっ!!」 暴れ回るが、ゆっくりが人の力に逆らえるわけがない。 食い込む親指の感覚に震えながら親れいむは連れて行かれる。 ……。 出て行く瞬間、俺は親れいむが見えるようにかき氷を食べ始めた。 「あ゛あ゛っ!!」 扉が閉められる。 親れいむの暴れている声が聞こえていくが、もう俺には関係ない。 ……やれやれ。 ため息をついてその場に座る。予想してなかった騒ぎに疲れがたまった。 ……。 俺は最後の光景を思い出し、思わず顔がにやけてしまう。 あの絶望で満ちた顔に、俺は溜飲が下がる思いだった。 さて。 業務用かき氷機の方を見る。 「おじさんゆっくりじゃないねっ! 早く外してねっ!」 さっきは喋らなかったので、ちょっとは学習したかと思いきや、時間が経つとまた水色は喚き始めた。 ……やっぱり、馬鹿だから数分で忘れたんだな。 それだけ忘れられたら、人だと幸せに生きられるんだろうが、水色が忘れても鬱陶しいだけだ。 しかし、どうするか。 全部削って食べるのは流石に辛い。 いっそ、削ってそのまま流しに捨てるか。 水色を処分する方法を考えながら、取りあえず腹が減ったので俺は洗い場の方へ向かう。 「ちょっとむししないでよっ! アタイはむしたべるんだからねっ!」 ……。 一瞬、無視なんて知っていたのかと思ったが、やっぱり馬鹿は馬鹿だった。 何かないかと食材を探し始める。 えーと、何か食えるものが……。 ……あ。 「だからむししないでっ! アタイたべちゃうよっ!」 ……うん、面白そうだな。 俺はその場から離れると、今度はかき氷機に近づいていった。 「ゆっ?」 「わかったわかった助けてやるよ」 頭についたレバーをゆるめ、水色を動けるようにする。 途端、水色は俊敏な動きで逃げ出していた。 「ゆっ! ようやくアタイがゆっくりだってわかったみたいね!」 だから、その速さのどこがゆっくりなのかと。 「でもおじさんはゆっくりじゃないねっ! アタイそろそろかえるよっ!」 「ああ、帰るのか?」 「ええ! ゆっくりじゃないおじさんはとっととれいとうはそんされてね!」 破損してどうする。 「残念だな。せっかくエサを用意してたんだが……」 言った瞬間、水色がこっちを見ていた。凄い食いつきだな……。 「エサっ? アタイしたにはうるさいよっ!」 「ああ、ゆっくりには美味しいって絶賛されているものがあってね。それなら満足できると思ったんだ」 ゆっくりに絶賛と聞いて興味が惹かれたらしい、さっきまでとは打って変わって瞳が輝いている。 「いいよっ! ゆっくりたべてあげるねっ!」 「そうかい、それじゃちょっと待ってな」 俺はまた洗い場へ引き返す。 水色に与える食材を手に取り、そのまま引き返してきた。 「それじゃ今から目の前に置くから、ちゃんと凍らせろよ」 「もちろんだよ! アタイに任せておいて!」 顔を張って自信満々に言う。 俺は手を開き、素早く食材を置いた。 水色の顔が膨らみ、瞬間冷凍しようと冷気を吐く。 しかし、食材が凍ることはなかった。 「ゆっ?」 「なんだ、凍らないみたいだな」 食材は水色よりも小さいながら同じゆっくりだ。しかしゆっくりカエルを食べていた水色には特に疑問はないらしい。特に気にせず、どうして凍らなかったのかを考えている。ああ、馬鹿でよかった。 「まぁいいじゃないか。そのまま食べてみたらどうだ?」 「もちろんアタイそのつもりだよっ! おじさんはだまってて!」 はいはい。 言われた通り黙っておくと、水色は躊躇せず大きく口を開けて、そのゆっくりを飲み込んだ。 「もぐもぐ」 「……」 「もぐもぐ……っ!?」 突然、口を開いたまま水色が痙攣し始めた。 「どうした? 美味しくないかっ?」 「ちがうよっ! アタイゆっくりだよっ!」 なんか慣れたな。 「お、おじさんっ!」 「なんだ?」 「あ、熱いよっ! すっごくあつじっ!?」 水色が最後までいい終わらないうちに、食べたゆっくりは水色の頭を通って中からはい出てきた。 「もこーっ!」 それは、ゆっくりもこうだった。 やっぱり、中で燃えると溶けるもんなんだな。 「あ、あああああああああっ!」 水色の痙攣は止まらない。もこうはそのまま水色の頭に乗って燃え続けている。 「もっこもこにしてやるよっ!」 「とける、アタイとけちゃうっ!」 もう頭の上部分は完全に溶けて、俺の家の床を水浸しにしていた。あとで掃除しないとな……。 「おじさんっ! 水っ! 水ちょうだいっ!」 「水ならそこの壺に入ってるぞ」 言い終わった途端、壺に向かって飛んでいく。 しばらくして、水色の大きな声が聞こえてきた。 「なかからっぽだよぉおおぉおおおぉおおぉっ!」 そりゃな。もったいないじゃないか、水が。 俺は両手でしっかり抱え、そのまま壺に向かっていく。 中を覗き込むと、もう半分近く溶けきった水色がそこにいた。 「お……おじさ……アタイ……」 「何だかさっきよりゆっくりしてるなっ!」 「……ち、ちが……」 「そんなお前にプレゼントだ。受け取ってくれっ!」 水色の上へ抱えていたものを落としていく。 抱えていたのは大量のゆっくりもこうだった。 「あ……」 「もこたんいんしたおっ!」 全員が一斉に炎を纏う。 「……あた……」 あっという間に、水色は溶けきって水に変わっていた。放っておけば蒸発し、跡形もなくなくなるだろう。 俺は安心と落胆でため息をついた。 やれやれ、もうちょっと使えると思ったんだがなぁ……。 もこうは一定時間炎を纏う。出せる時間に制限があるものの、物を燃やす時はかなり便利だ。 俺は使えるゆっくりはちゃんと使っていくが、使えないゆっくりほど邪魔なものはない。 いいゆっくりは、使えるゆっくりだけだ。 さて……。 改めて飯を食おうと、洗い場へ近づいていく。 「もこーっ」 そこに残っていたゆっくりもこうが、元気な声を上げていた。 End ゆっくりちるのをゆっくりもこたんで溶かしたかった。 すっきりー。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2974.html
妖怪の山の秋も深まる頃。 あの……何とかいうオリキャラ達によって季節の恵みがもたらされ、 美しく彩られた木々の茂りは、山肌を赤や黄色の暖色に染め上げていた。 その中をゆっくりと跳ねていく、なぜか山に棲みついているゆっくり一家。 「ゆゆ~ん! おやまさんがすごくゆっくりしてるよ!!」 舞い落ちる紅葉を眺めて感嘆の唸りを上げるのは、大きな親まりさ。 その横で親れいむは、周囲の落ち葉を拾っては口に収めていく。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 涙を流して天を仰ぐれいむ。 人間や妖怪にとっては見て楽しむものである紅葉も、ゆっくりにとっては美味しいごはんらしい。 ぴょこぴょことついて来た沢山の小さな子ゆっくり達も、紅葉の先端をかじったり、 二匹で引っ張り合って千切ったりして食べている。 「ちあわちぇ~!」 「おかーしゃん、このはっぱしゃんとってもゆっくちしてゆね!」 「ゆっくちきれいだよ!!」 「ゆ!これはね、もみじさんっていうんだよ! とってもゆっくりできるはっぱだよ!!」 「もみじしゃん? れいみゅたちみたいにかわいいおにゃまえだね!」 「もみじしゃん、まりしゃたちをゆっくちさしぇてくれてありがちょう!!」 ちなみにこの山に同名の某妖怪がいるが、もしも彼女が任務中であり、その機嫌が良くなかったなら、 なんかムカつく一家の存在を嗅ぎ付けて直ちに殲滅していた可能性は否めない。今はこの幸運に感謝すべきだろう。 ともあれ、紅葉がとっても気に入った子ゆっくり達は、辺りを埋め尽くす落ち葉の海に飛び込んで、 思うさま食んだり、包まって遊んだりし、存分に紅葉狩りを楽しんでいた。 「ゆゆっ! このあかいろ、れいみゅのおりぼんみたいできれいだね♪」 「とっちぇもゆっくちできゆよ! いっぱいあちゅめようね!」 「まりしゃのもみじしゃんがいちばんきれいだよ!!」 特に、赤色の強く出ている紅葉が気に入ったようだ。子ゆっくり達は競うように、より赤い紅葉を探して辺りを駆け回る。 秋の景観の中で楽しそうに遊ぶ子供達を、親まりさと親れいむは満足げに見つめている。 「ゆゆ~ん、とってもゆっくりしてるね・・・」 「もうすぐふゆだから、いまのうちにおそとでたくさんゆっくりしようね!」 「ゆ! そうだね、ふゆごもりのごはんをいっぱいあつめようね!」 「こどもたちにまけないようにしないとね!」 そして両親もまた、周囲の落ち葉を集めては頬に貯め始めた。 今日は冬篭りのための食糧を確保しに、文字通りの「紅葉狩り」へとやって来ていた。 木の実やキノコなど、他の食べ物は一通り集めて巣に貯蔵済みである。 余裕の出来た両親は、冬篭りの準備の仕上げとして、観賞を兼ねて紅葉を集めることにしたのだ。 子供達の小さな遊び場に干渉しないよう、なるべく離れた所から紅葉を拾っていくまりさとれいむ。 日が暮れる頃には、一家が遊んでいた一帯は土色の山肌が露出し、まりさとれいむの頬はパンパンに膨れていた。 「おちびちゃんたち! そろそろさむくなってくるからゆっくりかえるよ!」 「あつめたもみじさんはもてるだけもってかえってね!」 「「「「「ゆっくちわかっちゃよ!!」」」」」 子ゆっくり達は特に赤味の強い数十枚を厳選し、れいむ種は小さな頬の中にぎゅうと収め、 まりさ種はそれに加えて帽子の中に仕舞いこんだ。帽子からはみ出した紅葉が素敵だと親に褒められ、頬をも紅葉のように染めて喜んだ。 一家が巣へと帰り着く頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。 この一家の巣は、倒れた木の幹である。枯れ果てた幹は大きな空洞となり、住むにはちょうど良かった。 周囲は深い雑草に覆われ、天敵にも見つかり辛く冬もなかなか暖かい。自慢のおうちであった。 「「「「「ゆっくちただいましちゃよ!!」」」」」 「ゆっ! それじゃあおちびちゃんたち、あつめたもみじさんをだしてね!」 「「「「「ゆっくちわかっちゃよ!」」」」」 貯め込んだ紅葉を次々に吐き出していく一家。親れいむと親まりさの吐き出したそれは、小山を形成するほどの量だった。 その脇に、一際色彩の強い子ゆっくり達の集めた紅葉が小さく盛られている。 子ゆっくり達は、それぞれ自分が取った中で一番赤い葉っぱを見せ合って、互いに自慢していた。 「ゆゆ! いままであつめたぶんとあわせて、ごはんはこれでじゅうぶんだね!」 「みんなおつかれさま! これでゆっくりふゆがこせるよ!」 「「「「「ゆゆゆ? ごはん??」」」」」 一斉に頭に疑問符を浮かべる子ゆっくり。 朝おうちを出発した時点では、親達から「ゆっくりできるたべものをあつめにいく」と説明を受けてはいた。 しかし子ゆっくり達が紅葉を集めていたのは、コレクション的な意味合いが強かったのだ。 たからものにしようと思っていた真っ赤な紅葉をごはんだと言われ、子供達は悲しくなって来てしまった。 「ゆ・・・まりしゃのもみじしゃんをたべないでね!!」 「れいみゅもみじしゃんたべちゃくないよ!! ゆえぇぇ~~~ん!!」 「ゆっくちしたたからもにょだとおもっちぇたのいぃぃぃぃ!!」 「ゆゆ!? どうしてそんなこというの!! ごはんたべないとゆっくりできないでしょおおぉぉぉぉ!!」 せっかくのおいしいごはんを泣いて食べたくないと言う子供達に、親れいむは困惑する。 この秋に産まれた子供達は冬篭りが初めてなので、冬に飢える恐ろしさを理解していないのだ。 親まりさも同様に一瞬戸惑ったものの、すぐに子供達の気持ちを理解してやる。 まりさはれいむに比べて子供っぽい所が多く残っていたので、共感出来る部分があったのだ。 「ゆっくりわかったよ! みんながあつめたもみじさんはたべなくてもいいよ!!」 「「「「「ゆゆっ! ほんちょう?」」」」」 「でもおかあさんたちがあつめたぶんはしっかりたべてね! おなかがすくとゆっくりできないよ! みんながごはんをたべすぎずにゆっくりしていれば、みんなのもみじさんはたべなくてもすむよ!!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!」 「ありがちょう! おかーしゃんだいしゅき!」 「すーり、すーり♪」 紅葉を食べないことを許してくれた優しい親まりさに群がり、すりすりを始める子ゆっくり達。 子供達に囲まれてとてもゆっくりした親まりさの顔を、親れいむが少し寂しそうな笑顔で眺めていた。 れいむの表情を察したまりさは、慌ててれいむに駆け寄りすりすりをしてあげる。 子供達もそれに追従し、一家揃ってのすりすり大会が始まる。れいむもとてもゆっくりすることが出来た。 それからしばらく親同士が巣の奥でゆっくりしている間に、子供達はたからものの管理に取り掛かった。 山状に積まれた紅葉を、これはれいむの、これはまりさのとそれぞれ選り分けていく子ゆっくり達。 一箇所に集約されていた色彩が次第に床に広がっていき、まるで真っ赤な絨毯を敷いたかのようだ。 「ゆゆ~! とっちぇもきれいだよ!」 「もっちょいっぱいひりょげようよ!」 「とってもゆっくちちたおうちになゆにぇ!!」 子ゆっくり達は手分けをして、おうち中に紅葉の絨毯を敷き広げていった。 跳ねた時に起きる風で飛ばされないよう、一枚一枚しっかりと床に押さえつけていく。 自分達の集めた紅葉が足りなくなると、両親の集めた分の山から特に赤くて綺麗な物を引っ張り出してくる。 やがて床に敷き終えると、次は壁に取り掛かる。大きな子れいむが小さな子まりさの踏み台となり、 壁の高いところまで紅葉をぎゅっぎゅっと押し付ける。湾曲した壁面に美しい壁紙を張り終え、子ゆっくり達は深い満足に浸っていた。 「ゆゆ~、ゆっくちがんばっちゃよ!」 「すごくゆっきゅりしたおうちになっちゃね! これでふゆもゆっきゅりしゅごせゆよ!!」 「ゆゆ! なんじゃかこのゆかしゃん、ぽかぽかしてあっちゃかいね!」 「ゆ!? ほんちょうだ!」 晩秋の冷たい空気に満ちた巣の中で、子ゆっくり達は不意に暖かさを感じた。 色は体感温度に影響を与える。青などの寒色は涼しげに感じ、赤などの暖色は暖かに感じるのだ。 思い込みの強いゆっくり達にはその効果が特に強く働き、赤い絨毯は暖房に近い役割を果たしていた。 すごい発見をしたと、子ゆっくり達はぴょこぴょこはしゃぎまわっている。 床と壁を埋め尽くしたとなると、次に気になるのは天井だ。しかし子供達だけでは天井まで口を届かせるのは難しい。 「ゆっくちおかーしゃんたちをよびにいきょうね!」 「ゆゆっ! しょうだね! れいみゅたちのすてきなおうちをみしぇて、おかーしゃんをびっくりさしぇりゅよ!」 「きっとよりょこんでくれゆよ!」 何匹かの子ゆっくりが、ぴょこぴょこと笑顔で巣の奥に跳ねていく。 「はやくはやく!」と興奮した子供達に連れられ、なんだなんだと親れいむと親まりさが出て来る。 そして真っ赤に染められた部屋を見て、「ゆゆ~!」と揃って驚愕の声を上げた。 「みちぇみちぇ! れいみゅたちがゆっくちがんばってもみじしゃんをはっちゅけたの!」 「すごいよおちびちゃん! とってもきれいだよ!!」 「あにょねあにょね!もみじしゃんのうえにいりゅと、ぽかぽかすりゅんだよ!!」 「ゆ・・・? ほんとうだね! ぽかぽかあったかいよ!!」 「これでゆっくりふゆがこせるよ!! かしこいこどもたちをもったれいむはしあわせだよ!!」 最初に見た時は食べ物を粗末にして……と思ったれいむだが、この暖かさの代償ならば安いものだ。 子供達の素晴らしい発明に、感動の涙を流す親れいむと親まりさ。突然泣き出してしまった両親に、 「ゆっくちしちぇね?ゆっくちしちぇね?」と慌てて声をかける無垢な子供達に、親達は笑みをこぼす。 「しょれでね、てんじょうしゃんにももみじしゃんをくっちゅけたいの!」 「まりしゃたちをおかーしゃんたちのうえにゆっくちのしぇてね!」 「ゆゆ! そうだね!」 親達から見ても、絨毯と壁紙の色の映えに対し、天井の地味さは気にかかるところだった。 しかも天井には、雨漏りする穴が空いていた。あの穴はいつか塞ぎたいと思っていたところだったのだ。 子供達はお母さんの上に飛び乗り、更にその上でも肩車(?)を形成し、天井にも次々と紅葉を貼り付けていった。 そして一面が紅葉に埋め尽くされた、とてもゆっくりとした空間が完成した。 「ゆっくりかんせいしたね!!」 「ゆっくちできちゃよ!」 「ゆゆ~ん! こりぇでしゃむいひもゆっくちできゆよ!」 「あちたはおうちでゆっくちしようね!」 飛び跳ねて喜ぶゆっくり一家。しかしやがて、子ゆっくりを眠気が襲う。 夜更かしして今までしたことのないような重労働をやってのけたのだ。疲労が溜まっていたのだろう。 疲れた子ゆっくり達は次々に跳ねることをやめ、その場で眠りについていく。 そんな子供達の頑張りを祝すように、親達もそれに寄り添って目を閉じた。 翌朝。ゆっくりの目覚めは遅い。 おうちの入口から差し込む秋の日差しに、子まりさが一番に目を覚ます。 「ゆっくいしていっちぇね!!」 元気にピョーンと飛び跳ね、大きな声で朝のあいさつ。 そんな子まりさの目に飛び込んで来たのは、いつもと様子の違うおうちの内装だった。 「ゆ? ゆ?」 少し戸惑った後、夕べの突貫工事を思い出す。そうだ、まりさたちみんなでおうちをゆっくりさせたんだ。 しかし、昨晩の薄暗い中で味わったようなワクワクした感じは無い。 そう、薄暗い月明かりの中だったから色がはっきりと見えず、この異常な事態に気付かなかっただけなのだ。 朝の陽光が照り返るおうちの中を満たすのは、最早単なる「色」と化した紅葉の、毒々しいほどの赤、赤、赤。 「ゆ、ゆ・・・どうちたの・・・にゃんかへんだよ・・・」 ゆっくりの目には、人間と同じ「赤」「緑」「青」の三種の色覚がある。三原色のうち緑か青が目に入ってきた時、 それらの色は三種の色覚全てを刺激し、一つの刺激を受けすぎないようバランスを取っている。 しかし赤は別だ。赤は「赤」の色覚しか刺激せず、その偏りは脳に緊張や興奮を生み出す。 つまるところ赤とは、最もゆっくり出来ない色なのだ。 ヨーロッパの拷問方法で、人間を赤い色で埋め尽くされた部屋に閉じ込め、精神錯乱に陥らせるというものがあった。 この子まりさは、自らにその拷問を行ってしまったのだ。 「ゆ・・・・ゆえぇぇぇぇぇん!! おうちがゆっくちできにゃいよおぉぉぉぉぉ!!」 赤色から受ける恐怖に、子まりさはとうとう泣き出してしまう。 泣き声を受け、慌てて飛び起きる親まりさと親れいむ。他の子ゆっくり達も寝ぼけまなこをぱちぱちし始める。 「まりさ! いったいどうしたの!!」 「おかーしゃあぁぁぁぁん!! おうちがまっかにゃのぉぉぉぉぉ!!」 「おちついてね!それはきのうみんなでもみじさんをはりつけたからだよ!」 「ゆ、でも・・・でもまりしゃまっかっかはいやにゃにょおぉぉぉぉぉ!!」 もう紅葉など見たくないと言わんばかりにぎゅっと閉じられた子まりさの両目から、大粒の涙がぽろぽろと漏れてくる。 この子まりさは、昨晩の作業でも最も張り切っていた一匹だ。突然の心変わりに親達はおろおろとするしかない。 しかしやがておうちの中を見回す内、そこがもうゆっくり出来ない場所になっていることを知った。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆ!?」 「なにごれ゛!! なんだかぜんぜんゆっぐりでぎないよ!!」 「めがいだいよ!! あんこがぎもぢわるぐなっできだよ!!」 「ゆびゃあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 苛烈に目に突き刺さる色彩の暴力に、親まりさと親れいむは紅葉がゆっくり出来ない葉っぱであることを即座に認識する。 親達の狼狽に、まだうとうととしていた他の子ゆっくり達も次第に事態を認識し始める。 「ゆぅぅぅぅぅ! なんじぇこんにゃこちょになっちぇるの!!」 「ゆっくちしにゃいでもみじしゃんをはがしょうね!」 「やめちぇね! れいみゅたちががんばってちゅくったおうちだよ!! こわしゃないでね!!」 「じゃあどうじゅればいいにょぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「紅葉を剥がせば良い」という、両親すらも今のパニック下では考えられなかった解を冷静に導いた子まりさの意見も、 せっかく貼った物を剥がすのは勿体ないという子れいむの下らない意地によって打ち砕かれる。 「ゆゆ? れいみゅのおりぼんがにゃいよ!?」 一匹の子まりさが、近くにいた子れいむを見て叫ぶ。 「ゆ? にゃにいってゆにょ? れいみゅはちゃんとおりぼんしてゆよ!」 「うしょちゅかないでね!! おりぼんちてないれいみゅはゆっくちできにゃいよ!!」 「ゆ、ほんちょうだ! ゆっくちできないれいみゅはやっちゅけりゅよ!!」 次第に周囲の何匹かの子まりさ達も子れいむににじり寄っていき、ぽいんぽいんと体当たりを始めた。 赤ちゃんの攻撃でも、同じ赤ちゃん同士ならかなりの衝撃だ。何故襲われるのか理解出来ないまま、子れいむは痛めつけられていく。 それは単に、背景の赤に溶け込んで子れいむのリボンが極めて見えにくくなっていたというだけのことなのだが。 しかし鮮やかな赤色に囲まれて興奮状態にあった子まりさ達は、注意して見ることもせずすぐに攻撃行動へと移ったのだ。 それに子れいむへの攻撃に集中している間は、赤い部屋の恐怖に怯えなくて済む気がしたのだ。 「やめちぇね! ゆっくちやめちぇね!」 「ゆ! まっちぇね! ゆっくちできにゃいゆっくちはちゅぶしゃないといけにゃいんだよ!!」 「やめちぇねぇぇぇ!! れいみゅちゅぶれたくにゃいよぉぉぉぉ!!」 「まっちぇね! にげにゃいでね!」 パニくっていた親も、ようやく子供達の間で起きていた異変に気付く。 いじめられていた子れいむは、餡子を吐きながらも必死におうちの外へと跳ねていく。それを興奮状態で追いかける子まりさ達。 一歩巣の外に出てしまえば、そこはまだ青々とした雑草の生い茂る草原だ。 しっかりリボンをつけた子れいむを見て、子まりさ達はハッと我に返る。 「ゆゆ? れいみゅどうちたの? けがしてりゅよ!」 「どこかでこりょんじゃったにょ?」 「ゆっくちあんこはいたらだめだよ! ゆっくちできにゃくなゆよ!」 「ぺろぺろしちぇあげゆね! ゆっくちうごかにゃいでね!」 「ゆぅ~・・・ゆぅ~・・・」 今まで自分達がいじめていたのは、リボンの無い、ゆっくり出来ないれいむだ。 目の前のれいむはリボンが付いている。だから今まで起きていたこととは関係ない。 子まりさ達の餡子はそう結論付け、突然現れた手負いの姉妹を全力で気遣い始めた。 しかし、そんな事情は子れいむには全く解らない。コロコロと変わる子まりさの態度に、子れいむは恐怖を覚えて震えていた。 そして一連の様子を後ろから見ていた親まりさにも、子まりさの暴力には正当性が認められなかった。 赤い部屋の効果で興奮状態にあった親まりさは、ぴょんぴょんと跳ねて姉妹をいじめる悪い子供をお仕置きしに向かった。 「ゆっ!」 「ゆぴゃっ! おかーしゃんにゃにしゅるの!!」 「まりしゃをふまにゃいでね! ゆっくちどいちぇね!」 「うるさいよ! おまえたちがいじめたせいでれいむがけがしちゃったんだよ!」 「にゃにいっちぇるの! まりしゃたちはれいみゅをいじめてにゃいよ!」 「しょうだよ! おりぼんのないゆっくちをこりゃしめようとしてただけだよ!」 「なにいっでるの!! おりぼんのないゆっぐりなんでごごにはいないでじょ!!」 「ゆっ、でみょしゃっきはたしかに・・・」 「いいわげじないでねぇぇぇぇぇ!! いもうとをいじめるこどもはゆっぐりつぶれでね!!」 「いやぢゃよぉぉぉぉぉぉ!! まりしゃちゅぶれたくにゃいいぃぃぃぃ!!」 「おかーしゃんどうちちゃったにょおぉぉぉぉ!?」 容赦なく子まりさ達を押し潰しにかかる親まりさに、子れいむの恐怖は増すばかり。 見兼ねた親れいむが親まりさの髪の毛を引っ張って押し留め、子まりさ達は何とか一命を取り留めることが出来た。 子れいむはほっと一息。しかし押し潰されていた子まりさ達は多量の餡子を口からひり出し、既に虫の息だった。 「なんであがぢゃんをづぶしぢゃうの!!」 「ゆっ、だっであのこどもたちはいもうとをいじめでだがら・・・」 「だがらっでづぶすごどないでじょ!! みんながわいいあがぢゃんなんだよ!!」 「げすなごどもにはおじおぎがひつようでじょぉぉぉぉぉ!? なんでぞんなごどもわがらないのおぉぉぉぉ!?」 いつもはとっても仲良しな両親までもが喧嘩を始めてしまい、巣の中に残っていた子ゆっくり達は大泣きしている。 しかし段々と巣の中も居辛くなってくる。目が刺激を受け続けるということもあるが、暖かすぎるのだ。 冬の気配を感じさせた昨日に比べて、今日は若干気温が高くなっている。 暖色に包まれた家の中では、体感温度が余りにも高すぎるのだ。子ゆっくり達の小さな体は、涙と汗でべちょべちょに溶け出している。 「ゆぐっ! にゃんだかべちょべちょすゆよ!!」 「じぇんじぇんゆっくちできにゃいよ!! れいみゅもおしょとでりゅ!!」 「まりしゃも!! ゆっくちとけちゃくにゃいよ!!」 結局、一家総出でゆっくり出来ないおうちから避難する形になった。 みんな疲れた表情で草むらの中を這っていき、あの拷問部屋から一歩でも離れようと必死だ。 傷付いた子まりさ達はもう自力で這うことが出来ないので、親れいむの頭に乗せられている。 汗にまみれた子ゆっくり達は、体中を土で汚しながら進んでいった。 「ゆぅ・・・・おかーしゃん、まりしゃおにゃかしゅいたよ・・・」 「れいみゅもごはんたべちゃいよ・・・」 「おかーしゃん、ゆっくちごはんちょうだいね!!」 「ゆっ・・・・じゃあたべにいこうね」 近くの餌場を回るゆっくり一家。しかし冬の備蓄の為に、ほとんどの食べ物は取り尽くされてしまっている。 僅かばかりに残された食べ物をちまちまと食べても、一家が満腹になるには程遠かった。 これから春まで過ごすのに充分な食糧が、巣の中にたんまりと貯蔵されているのだ。両親はもう狩りなどする気は無かった。 シーズンの終わりに向けて散り続ける紅葉だけがたっぷりと山道を覆っていたが、一家はそれを見たくもなかった。 もうお昼も近いのに、みんなお腹の中にろくに物を入れていない。 辺りの枯れかけた雑草をはむはむと噛みながら、子ゆっくり達は目に涙を浮かべている。 「むーちゃ、むーちゃ・・・こんなくささんをむちゃむちゃちてもゆっくちできにゃい・・・」 「おいちいごはんがたべちゃいよ・・・ちあわしぇーしちゃいよ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 いつもはお母さんがキノコや果物をくれて、とてもゆっくり出来るのに。 ゆっくりさせてくれるはずだった紅葉さんに追い出されて、ごはんすらも食べられない。 餡子を吐き出しそうなストレスが涙となり、子ゆっくり達の目から零れ出した。 「ゆぅ・・・まりさ、やっぱりおうちにかえらなきゃだめだよ」 「あのおうちはもうゆっくりできないよ! まりさかえりたくないよ! あたらしいおうちをみつけようね!!」 「おうちにかえらないとおなかがへってゆっくりできなくなっちゃうよ! ごはんはぜんぶいまのおうちにあるんだよ! あたらしいおうちをみつけてもごはんはないんだよ!!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅ・・・」 そうなのだ。 こうなれば四の五の言っている場合ではない。頑張った子供達には可哀想だが、紅葉を剥がす他無いのだ。 両親は空腹に泣きじゃくっている子供達に毅然と向き直った。 「みんな、ゆっくりおうちにかえろうね」 「「「「「ゆゆ!? やだよぉぉぉぉぉ!! かえりちゃくないぃぃぃぃ!!」」」」」 「ゆっくりきいてね! おめめをつぶってかえればゆっくりできるよ! まっかなおへやをみなくてすむんだよ!」 「みんなもこのままゆっくりできないのはいやだよね! もみじさんをゆっくりはがそうね!!」 「「「「「ゆゆゆ・・・ゆっくちりかいちたよ・・・・」」」」」」 子供達も考え直し、覚悟を決める。一番大事なのはゆっくりすることだ。 いくら綺麗な宝物とはいえ、そのためにゆっくり出来なくなってしまっては元も子も無いのだ。 ゆっくりさせてくれない紅葉さんは、早くどこかに捨ててしまおう。 そんな事を思いながら、再び真っ赤なおうちへと引き返していくゆっくり一家。 おうちに近付くに従い、子ゆっくり達は次々と固くまぶたを閉じていく。 「ゆっ・・・れいむ、そろそろついた?」 「ゆぅ、ゆっくりみてみるよ・・・」 全員が目を閉じていたのでは、おうちに入れたのかどうかすら解らない。 この中では比較的平静を保てていた親れいむが、おうちまでの距離と方向を確認するために薄目を開ける。 おうちである空洞の木は目の前に横たわっている。内側からわずかに覗く毒々しい赤色が、れいむの餡子を刺激する。 「あとすこしまえにすすめばおうちにはいるよ・・・ゆっ?」 と、そのうっすらとした視界の中に何か飛び込んで来るものがあった。 それは沢山のゆっくりありす達。れいむ達の一家の近くに住んでいるありすの一家だった。 親ありすが一匹に、十匹近い子ありすを連れている。親ありすはとても理知的で、山に関する色んな事を教えてくれた。 その教育が行き届いた子ありすも、親に似て賢くて優しく、子まりさや子れいむにはとても良い遊び友達になっていた。 頼りになるありすたちが来てくれて、荒んでいた親れいむの心はすっきりと癒される思いだった。 「ありすたち? ゆっくりしていってね・・・」 「はろはろ~ん! ゆっくりしていってね!! ふゆごもりのあいさつにきたわよ!!」 「まりしゃたちともちばらくあそべなくにゃりゅわね!!」 「ふゆしゃんがいなくなゆまでゆっくちちていってね!」 「「「「ゆゆっ、ありしゅたちがいりゅの!?」」」」 「「「「「ゆっくちちていっちぇね!!」」」」」」 大好きなありす達の声に元気付けられ、一斉に目を開いて飛び跳ねるまりさとれいむの一家。 赤いお部屋が少しぐらいゆっくり出来なくても今は気にならない。みんな巣の前で思い思いにすりすりを始める。 そうだ、と思いつく親まりさ。頭の良いありすなら、おうちがゆっくり出来ない理由を知ってるかもしれない。 ありすに頼ることで、少しでも自分達のパニックを収めたかった。 「ゆ! あのねありす、おうちのなかがね・・・」 「ゆゆっ! なんだかすてきなないそうになってるわね!!」 親まりさに言われるより早く、巣の中の異変に気付く親ありす。 しかしそこには、まりさ一家が味わうような恐怖や混乱の感情はない。 親ありすの声を聞いた子ありす達も、ぞろぞろと巣の中に入っていく。子まりさや子れいむはそれを心配そうに見ている。 「ゆゆ~! にゃかにゃかとかいはね!!」 「とっちぇもゆっくちちたいいおうちよ!」 「すてきなこーでぃにぇいとね!! こんどありしゅたちもまねちたいわ!!」 「これってまりさたちがやったんでしょ? すごいわ!!」 「ゆ、ゆぅ~~ん・・・」 いつも驚かされてばかりだったあのありすを驚かせ、更にすごいと褒められた。 素直に喜ぶべきなのか、まりさ一家は複雑な表情を浮かべていた。 それにしても、ありす達は真っ赤なおうちに居ても何だか平気みたいだ。やっぱりありすは特別なんだろうか。 ありす達と一緒なら、このおうちでもゆっくり出来るかも知れない。話によっては、ありす達も一緒に越冬に誘おうか…… 「ゆぅ・・・にゃんだかぽかぽかしゅゆわね!」 「ひーたーをきゃんびしちぇるのにぇ! とっちぇもとかいはだわ!!」 「ゆっゆっ・・・なんだかあちゅくなってきちゃわ・・・」 「ゆゆぅ、しょれにまっかないろをみていたらどきどきしてきちゃわね・・・」 安心して眺めていたまりさ一家だが、段々と様子がおかしくなってくるありす達に不安を覚え始める。 「ゆゆゆ・・・・にゃんだかもやもやしてきちゃよ・・・」 「ま、まりさぁ・・・ありすすっきりしだぐなっでぎだわ・・・」 「ゆっ!? な、なにいってるのありす!?」 おうちの中を見回していたありす達が、巣の外にいる一家の方にゆっくりと振り返る。 その理知的だった顔立ちを醜く歪ませていたのは、真っ赤な色彩のもたらした狂気。 ありす達は全然平気などでは無かった。赤色の与える興奮が、ありす種の秘める巨大な性欲のタガを外したのだ。 まりさ一家は全員ビクリと震え、逃げ出すのに数瞬の遅れを取る。それで全ては決した。 「まままままままりさぁぁぁぁぁぁ!! このからだのほてりをしずめてぇぇぇぇぇ!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!? ありずどうじだの゛!! ゆっぐりじでねぇぇぇぇぇ!!」 「まりしゃぁ!! いっしょにしゅっきりちようねぇぇぇぇぇ!!」 「れいみゅでもいいわよ!! とかいはのてくでちゅっきりしゃしぇてあげりゅわぁぁぁぁぁぁ!!」 「ふたりいっぺんでもいいにょよ!! のっかるのがいいにょ!? のっかるのがいいにょ!?」 「ふゆのさむさにゃんて、ふたりのあいのほのおでとかちつくちちゃいまちょうねぇぇぇぇ!!」 「ちゅっきり!! ゆっくちちゅっきりゆっきゅりちゅっきりーーー!!」 「「「「「ゆゆゆゆ!? ありしゅ! やべでねぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」 豹変したありす一家は狂気のままに、しかし手際良くまりさ一家を襲っていった。 甘い匂いのする粘液を撒き散らしながら、親まりさに激しく頬をこすりつける親ありす。 空腹と疲労で動けない親まりさは、なすすべなくその柔らかい頬を犯されていく。 親れいむが涙を流しながら親ありすの髪を引っ張り、「やべでね!やべでね!」と叫ぶ。 が、親ありすは左右の頬を別々に揺さぶるという高等テクニックを繰り出し、まりさとれいむは両方同時に強姦されてしまった。 子供達も負けてはいない。餡子を通じて代々受け継がれるものなのか、皆すっきりのやり方を体で理解していた。 子まりさも子れいむも、すっきりなんて知らない。「すっきりー!」というのは水浴びをして綺麗になった時に言うものだ。 しかし今、親友である子ありすからされている「すっきり」は、見た事もない体液を塗りたくられる全くすっきり出来ないものだ。 「やべでね! ゆっぐぢやべでねぇ! いちゅものありしゅにもどっちぇよぉぉぉぉぉ!!」 「んほおおぉぉぉぉぉぉ!! しょんなぷれいもありにゃのね!! まりしゃしゅてきぃぃぃぃ!!」 きめ細やかでしっとりとしていて、一緒にすりすりすると凄く気持ちよかった子ありすのほっぺた。 それが今は粘液に覆われ、「きもちいい、ぎもぢいい」と言って擦り付けられても子まりさは気持ち悪いだけだ。 みんなより一回り大きな姉ありすは、子まりさ二匹に同時に圧し掛かり、小さくかわいらしい帽子を押し潰しながら身体を揺すっている。 振動さえ伝われば絶頂に至るゆっくりの交尾においては、時にこのような無法の体位も罷り通ることとなる。 「「「やだやだ!! こんにゃのやだよおぉぉぉぉぉぉ!! しゅっきりちたくにゃいぃぃぃぃぃ!!」」」 「んほほほぉ!! れいみゅたちのしまいあい、とっちぇもときゃいはだわ!!」 「ありしゅたちにもしょのぎもぢよさをわげでねぇぇぇぇぇ!!」 「こうなっちゃらみんにゃでしましょうね!! しまいどんがっしぇんよぉぉぉぉぉ!!」 子れいむをそれぞれ犯しながら、それらを一箇所に押しやっていく三匹の子ありす。 子れいむの姉妹同士がそれぞれ振動を与え合うことで、三匹分の振動が細かく加えられ、振動も三倍となる。 更にその子れいむ達に接している子ありす達に反響する振動を加算し、最終的に全員に伝わる振動は六倍。 六匹分の快感を全員で共有するという大業を、子ありす達は子供の遊び感覚でやってのけたのだった。 「まりしゃああぁぁぁ!! まりしゃのおきゅちとっちぇもあまあまよ!! いつみゃでもなめりゃれゆわぁぁぁぁ!!」 「んむううううう!! んぶ!! うぶぶぶぶぶ!!」 「うふふふふ!! ありしゅのすてきなふぁーすとちゅっちゅ、まりしゃにあげちゃったわぁぁぁぁ!! ごうふんずるぅぅぅぅぅぅ!!」 正面に向き合い、顔面をぶつけ合いながら振動を加えるタイプのすっきりを選択した子ありす。 頬を擦るような繊細な動きは出来ないものの、頑なに閉じられたまりさの唇を舌を使って巧みにこじ開け、 口の中、身体の内部から大胆に振動を加える。子まりさの餡子はぷるぷると前後左右に揺さぶられ、未知の快感を生み出していた。 いつもはごはんを食べる時も上品だった、子ありすの素敵なおくち。子まりさは度々ぼーっと見とれることもあった。 まりさのふぁーすとちゅっちゅは、いつかありすに捧げようと思っていた。その念願が果たされた結果が、今だ。 子まりさの顔をだらだらと涙が伝っていく。それが潤滑油となり、スムーズな子ありすの動きをサポートしていた。 数々の激情が絡み合い、やがて場全体のボルテージが最高潮に達する。 「あああああまりざああぁぁぁぁぁぁ!! ずっぎり!! ずっぎりずるわよぉぉぉぉぉぉ!!! づいでにれいむもねぇぇぇぇぇ!!」 「いやあああぁぁぁぁぁ!! ばりざずっぎりじだぐないのおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇ!! どぼじでごんなどごずるのおぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 「まままままままりしゃあぁぁぁぁ!! こっちもしゅっきりししょうだよぉぉぉ!!」 「んほほほっ、おねえちゃんも!? ありちゅもちゅっきりしゅるよぉぉおおおぉぉ!!」 「こっちもしゅっぎりじぞうよ!! このれいみゅよしゅぎるのおぉぉぉぉぉぉ!!」 「やべぢぇねぇぇぇぇぇぇ!! れいみゅちゅっきりじだぐないよぉぉぉぉぉぉ!!」 「まりしゃのおぼうじべちゃべちゃにじにゃいで!! これじゃゆっぐぢでぎないぃぃぃぃぃぃ!!」 「れいみゅおねーちゃんとごんなごどじだぐないにょにいぃぃぃ!! ゆっぎゅりおざえにゃいでぇぇぇぇぇ!!」 「ありしゅやべでぇぇぇ!! しゅっぎりちたらあぶにゃいの!! あぶにゃいの゛ぉぉぉぉぉぉ!!」 「い~いぃぃぃい? おちびちゃんだぢぃぃぃぃぃぃ!! みんなでながよぐずっぎりじまじょうねえぇぇぇぇぇぇ!!」 「おかーしゃんわかっちゃよぉぉぉぉぉぉぉ!! いぐっ、ありしゅいぐよおぉぉぉぉっ!!」 「しぇ、しぇーのでいぎまじょうね!! しぇ、じぇじぇじぇじぇじぇーのおぉぉぉぉぉぉぉ・・・」 「「「「「「「「「「「すっきりー!!」」」」」」」」」」」 瞬間、訪れる静寂。ありすもれいむもまりさも、みな一様の幸福に満ちた表情で絶頂、すっきりを迎えた。 ここまではゆっくりの本能的な反応である。その後の明暗ははっきり分かれ、犯されたまりさやれいむからは蔓が伸び始める。 ただでさえ小さく、また空腹に苦しんでいた子ゆっくり達は、赤ちゃんに餡子を吸い上げられるとたちまち干からびて死んでしまった。 ポツポツと実っていく、出来損ないの赤ちゃん達。みな意識が形成されると同時に、母体と共に朽ち果てた。 親まりさと親れいむも同様。疲労困憊だった所に親ありすの激しいすっきりである。 にんっしんっに耐えられるだけの体力は最早残ってはいなかった。 「あ・・・ありずぅ・・・・どぼじで・・・・・・・」 「いっじょに・・・ゆっぐじじだがっ・・・・」 すっきりの余韻に浸りうっとりとしていたありす一家が我に返ると、目の前に広がっていたのは地獄と見紛う光景。 黒ずんだまりさ一家と、それらの頭から枯れ落ちた、小さな赤ちゃん付きの何本もの蔓の山であった。 理性が飛んでいる間の事を、ありす達は覚えていられない。理性だけがありすの自我を形成しているのだ。 その自我を成す理性が全て吹き飛んだ間の事を、その餡子の一体どこが記憶していられようか。 「ゆ? ま・・・まりしゃたち!? いっちゃいどうじだの゛ぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆぇぇぇぇぇん!! にゃんでこんにゃことになっちぇるのぉぉぉぉぉ!?」 「もっちょれいみゅとあしょびたかっちゃのにぃぃぃぃ!!」 「ゆぐ・・・ゆぐ・・・まりしゃぁ・・・ありしゅのふぁーすとちゅっちゅあげちゃかった・・・」 「いったいどぼじでごんなごどになったのぉ・・・まりさ・・・れいむぅ・・・」 ありす一家は深い悲しみに沈む。とても仲良しだったゆっくりの一家が、突如として非業の死を遂げたのだ。当然である。 その理由は解らないが、大人である親ありすには死体の様子を見て何となく察することは出来る。 これはゆっくりがにんっしんっに失敗した時の死体。きっと恐ろしい強姦魔に襲われたのだ。ありすは身震いした。 しかしこのような時でも感情に任せて泣いてばかりいないのが、ありす種の強さでもある。 「ゆっ・・・このままなきがらをのざらしにはしておけないわ」 「おかーしゃん、ゆっくちどうしゅるの?」 「つらいけど、たべてあげましょう・・・それがゆっくりのくようになるのよ」 「ゆぅ・・・わかっちゃよ・・・ゆっ、ゆっ・・・ゆえぇぇぇぇ・・・・」 「むーちゃ、むーちゃ・・・ちあわちぇ・・・」 その余りの甘さに、反射的に口を衝いてしまった「ちあわちぇ」。 だが子ありす達にとって、こんなに幸せでない食事は生まれてからしたことがなかった。 ありす達が黙々とまりさ一家の死体を口に収めていく様子は、まさに人間で言う葬式のそれである。 やがて全てを食べ終えたありす一家は、紅葉でコーディネイトされたまりさ一家のおうちへと入っていく。 「このとかいはのおうちも、すむゆっくりがいなくなっちゃったのね・・・」 「にゃんだかしゃびしぃよ・・・」 「しゅごくもっちゃいにゃいね・・・」 「しょうだ、このまましらにゃいだれかにこわしゃれるぐりゃいなら、ありしゅたちがすもうよ!!」 「すごくゆっくちできるおうちだよ!! まりしゃたちのぶんもゆっくちしてあげちゃいよ!!」 「ゆ、そうね・・・みんなでまりさやれいむたちのおもいをとげてあげましょう・・・」 実際、そこはかなりゆっくり出来る場所だった。暖色効果でとても暖かいし、食糧がとにかく沢山ある。 単に弔いという口実だけでなく、元の巣に戻るよりもこちらの方が越冬に有利だ、という現実的で冷酷な判断も働いたのかも知れない。 しかし、近くに正体不明の強姦魔がいるかも知れないというリスクを跳ね除けたのは、やはり友愛の情からだったろうか。 とにかく、この持ち主を失ったおうちにはゆっくりありすの一家が住むことになった。理性を飛ばすトリガーと共にだ。 ところで紅葉というものが赤さを失うにはどの程度かかるのだろうか。 巣の内側を覆い尽くす紅葉は、子ゆっくり達の頑張りによって押し葉に近い状態となり、保存は良好である。 もしも春までその彩りが保たれるのだとすれば。冬を越したゆっくり達が友達の一家に会いに来た時、 そこに待っているのはきっと不幸だ。 終わり このSSに感想を付ける
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オレ設定、というかダレ設定が含まれます。ご注意を 「………おおおぅぅぅぅん…」 「何だ!?」「畑の方だ!」 「むぎゅうううううう!!」 「もうじないがらゆるじでえええぇぇぇ」 「もう二度とくるんじゃねえぞ!!」 数匹のゆっくりが罵声を浴びせかけられながら畑から叩き出された。 全身泥まみれで這って逃げていく。 「奴ら当分来ないだろうな。」 「でもあの餡子脳だ。そのうちやられたことも忘れてやってきくるだろう。」 そう言いながら見下ろした先 そこには一匹のゆっくりがいる。 「おう!やったなめ-りん!!」 「よくやったぞ!!」 「!!!!」 男たちの言葉に高く跳ねることで答えたこのゆっくり その名はゆっくりめーりん その特徴は先天的に喋ることができないこと 代わりに高い知能をもっていること ゆっくりとしては皮が厚い丈夫な体をもつこと そんなゆっくりめーりんであるが「喋ることができない」ために ゆっくりの中ではいじめらることが多いという。 このめーりんも例外ではなく他のゆっくりにいじめられていた。 そこを助けたのがこの男たちである。 以来めーりんは恩返しをすべく人間の手伝いをするようになった。 特にめーりんは畑番を好んだ。 野菜につく虫を食べたり、果物を啄ばもうとする鳥 そして盗みに入るゆっくりを追い払う仕事である。 俗に「いいゆっくり」とも称されるゆっくりめーりんは 「何かを守る」本能の元にその仕事をこなした。 その最中にめーりんが出くわしたゆっくり達 それはかつて森の中でめーりんをいじめていたゆっくり達で会った。 「ゆゆ!めーりんだよ!!」 「あのいなかものまだいたのね。またいじめてあげるわ」 だが人間たちの中で畑番の任務をこなし自信をつけためーりんは かつてのめーりんの比ではなかった。 ゆっくりの悲鳴を聞いて駆け付けた人間たちの助けを借りながらも かつてのいじっめっこ達を撃退したのである。 「よーし今日は飲むぞ!!」 「はは、飲みすぎるなよ。」 めーりんの勝利を我が事のように喜ぶ男たち その日は遅くまで笑い声が絶えなかった。 次の日 朝焼けの中に人間とゆっくりがいた。 「もう行くんだなめーりん」 「がんばるんだぞ。おまえなら大丈夫だ。」 初めからわかっていたことである。 いじめっこか達を撃退した以上もうめーりんが森を恐れる理由はない。 それでもなお名残り惜しそうに振り返り、振り返りながら ゆっくりめーりんは森に消えていった。 「いいゆっくりだったな。」 「ああ、あんなゆっくりならずっとだって暮したいさ。」 森に入っためーりんは一気に加速する。 勢いよく跳ねて奥を目指す。 人間はめったに近寄らない森の奥深くに来たとき ゆっくりめーりんは木の根元にある穴に向かって 叫んだ。 「じゃおん!おまえたち!!でてくるお!!!」 「わかったわよ…」 そういって穴の中から出てきたのは二匹のゆっくり まりさとありす 両方共に昼間畑を襲撃し、撃退されたゆっくりの一団にいたゆっくりである。 「ほかのやつらはどうしだお!!」 「ぱちゅりーはあのあとしんじゃったんだぜ」 「ちぇんとみょんはけががひどいの。れいむがかんびょうしているわ」 「じゃおうぅん…まったくおまえたちはつかえないお!! きょうだってにんげんどもがくるのはもっとおそいはずだったお!! ほんとうならどさくさにまぎれてくだもののひとつもかっぱれてたお!! 「だってそれはめーりんが…」 「じゃおう!?」 昼の襲撃の際に人間を呼び寄せた「ゆっくりの悲鳴」 人間たちは襲撃側のものと考えたがそれは違う。 「しえすた」中の突然の襲撃に驚いためーりんの絶叫だったのである。 ゆっくりめーりんは喋れない、と思っている人間にわかるはずもないことではあるが。 ともかく人間を呼び寄せたのはめーりん自身である。 普段「しえすた」中はこのゆっくり達に見張りや虫取りをさせていた。 計画では起きているはずであったのだがつい普段の癖が出たのだ。 「じゃぅるさいお!おまえらがこのめーりんにさからうのはゆるされないんだお!! つかえないおまえらはくびだお!!もういらないお!!」 「!!!いくらなんでもひどいよ!!」 「あやま その時点で彼らの言葉はとめられた。 めーりんによってではない。茂みから投げかけられた網によってである。 「ゆゆ!!」 「なにこれ!!」 「よーし、うまくいったぞ。」 「いつもどおりの方法だ。当然さ。」 茂みから出てきたのは数人の人間達 「いつもいつもありがとうございますねぇ。めーりんさん。」 「どうってことないお!!きもんげにもよろしくたのむお!!」 「えーっとありすにまりさに…穴のなかにれいむとちぇんとみょんでしたっけ? みんな成体ですからけっこうな額になりそうですよ。」 彼らは人里の大商人きもんげの配下のゆっくりハンター達 本来ならばすべてのゆっくりに恐れられているはずの男達である。 にも関わらずなぜめーりんは平然としているのか? それはゆっくりめーりんの生態に理由がある。 人はゆっくりめーりんを「弱いゆっくり」と考えている。 体は強いがおとなしすぎる、だからいじめられる、と。 だがそれは重大な誤解なのだ。 ゆっくりめーりんは丈夫な肉体と高い知能を持つ。 そのようなゆっくりがいじめられるはずがない。 なにより…これは人間にも知られていないことであるが ゆっくりめーりんは純然たる「捕食種」なのだ。 たいていの捕食種はゆっくりのなかでも低知能であったりする。 だがゆっくりめーりんは違う。 ゆっくりの中でも高等な部類に属する知能を持っている。 自らの力を自覚しためーりんを押しとどめるものはなにもない。 ゆっくりめーりんはある意味もっとも暴力的手段を好むゆっくりなのだ。 純粋な捕食行動以外にも示威やめーりん同士の諍いの解決手段として ゆっくりめーりんは暴力的手段を取る。 そしてそれは他種に対しても変わらない。 幼いころから一族と共に他種からの略奪を行い鍛えられるめーりん達は 低知能なれみりゃ種、社会性のないゆゆこ種を押さえゆっくりの覇者とも言える存在となる。 他のゆっくりが様々な種と交わるのに対し ゆっくりめーりんはゆっくりめーりんとのみ交わる。 純血主義とも言える婚姻統制が敷かれる理由は 全てはゆっくりの覇者たるゆっくりめーりんの結束を守るため。 一日の大半を寝て過ごすゆっくりっぷりにも関わらず覇者となったのは その知能ゆえではない。その結束ゆえ、「何かを守る」という本能が めーりん種を守れと命ずるゆえである。 結束によって他のゆっくりから種を守る事に成功したゆっくりめーりんが 人間の脅威を知った時、種を守るためにとった行動 それは他のゆっくりを犠牲にすることであった。 ゆっくりめーりん達が 「ゆっくりをゆっくりさせない」ことを好む奇矯なゆっくり、きめぇ丸の仲介によって 人里の商人きもんげと接触したのはゆっくり加工所がいまだ軌道に乗る以前の事 ゆっくりの有用性に着目し、ゆっくり加工所へ多額の出資をしていたきもんげは ゆっくりの安定供給と引き換えに種の保護を求めためーりん達の提案に飛びついた。 その後きもんげの元に届けられたゆっくり達は 『きもんげ配下のゆっくりハンターの獲物』として加工所に納入された。 めーりん種との密約を加工所に内密にしたのは利益の独占と発言権の増大のためである。 当時ゆっくりの商品化には成功していた加工所であったがゆっくりの養殖にはいまだ成功しておらず 材料となるゆっくりはすべて捕獲する必要が有った。 その状況下で大量のゆっくりを安定して納入したことは きもんげの発言力を高め、きもんげは実質的な経営者の1人となった。 その後の養殖の成功によって商品に占める天然物の割合こそ減ったものの 天然には一定の価値が認められている。 きもんげとゆっくりめーりんの密約は続いているのだ。 「やめて!やめてえええぇぇぇ!!」 「せめてどうくつのこどもたちにあわせてね!!」 「うるさいお!!きさまらはおとなしくまんじゅうになるお!!」 網にとらわれながらも 籠に放り込まれまいとふんばるゆっくり達を踏みつけ蹴落とす。 めーりんの一撃によってゆっくり達は次々に籠に落ちていった。 こうしてゆっくり達は捕獲され加工所に送られた。 ゆっくりハンター達を見送っためーりんはその場を離れ森のさらに奥へと進んでゆく。 目的地はありすたちが言っていた「どうくつ」である。 木々に囲まれたそこは実際は洞窟ではない。 正しくは廃坑である。 広い空間が存在するそこはめーりん種の拠点の一つである。 幻想郷中に散らばるゆっくりめーりんの拠点は種族間の連絡所であると同時に もう一つの顔を持つ。 「じゃおん!!おかえりだお!!ゆっくりしていくお!!」 「じゃおん!!ただいまだお!!まったくつかれたお!!」 帰還しためーりんが仲間達と戯れるそこは 当然のごとく「しえすた」(あるいは計画的休息)をとる 門番めーりん達に守られた廃坑の入り口からすぐの小空間。 そこはかつての鉱夫達の休憩所であり そのさらに奥にはいくつもの横穴が開けられた坑道が続く。 「ゆっくりちていってね!!」 「ゆっくりちているよ!!」 「ゆっゆっゆ!!」「ゆ~!」 「れいむのうえからどいてね!!」 「まりさのゆっくりプレイスはうごかないでほしいんだぜ!!」 横穴にはすべてに鉄格子がはめ込まれ 内部はゆっくりの牢獄となっていた。 入れられているゆっくりの殆どは赤子か子供であり 大人はごく少数 先ほどのゆっくり達の子供たちもこの中のどこかにいるだろう。 このゆっくり達はすべて人質として赤子のうちに親から奪われたゆっくりである。 種としての繋がりは薄くとも家族の関係は濃い。 この牢獄の存在が少数のめーりんが多数のゆっくりを従える鎖となる。 牢の入り口に嵌められた鉄格子は人の手によって作られたものであり めーりん種と人間の繋がりが見て取れる。 「おまえたち!!えさのじかんだお!!」 めーりん達の声と共に穴の中に大量の菓子類が放り込まれる。 内部のゆっくりたちが貪るそれはきもんげの下にある食料品店、菓子店から買い上げられた処分品 本来なら廃棄処分になるそれを買い上げる事を店主たちは不思議がったが まさかこのように使われているとは夢にも思わないだろう。 「ゆ!!ごはんだよ!!」 「めーりんありがとう!!」「ありがとうね!!」 「む~しゃ!!む~しゃ!!しあわせ~!!」 「うめぇ!!めっちゃうめぇ!!」 赤子の頃よりこの牢獄で育ったゆっくり達は この異様な環境に毛ほどの疑いも抱いていない。 毎日食事をくれるめーりん達を無邪気に信じている。 「えーと、そこのおまえたち!!でるお!!」 「ありすのこと!?」「ついにすだちがきたのね!!」「とかいにいくんだね!!」 牢から出されたのは十匹程のありす 彼らの中ではここから出る事は巣立って都会に行くという事になっているらしい。 「とかいにいったらおめかししようね!!」「しょっぴんぐをしてえすてにいって」 「すてきなまりさとであうのよ!!」 前後を看守役のめーりんに挟まれてありす達は楽しげだ。 やがて彼らが来た事がない場所へとたどり着く。 「ゆゆ!!めーりんがいっぱい!!」 めーりん達が常駐する小空間、そこにはこの拠点に詰める二十数匹のめーりんが集っている。 「なんなの!!なにがはじまるの!!」 「ゆ!とかいはのありすはわかるよ!!」 一匹のありすが進み出て叫ぶ 「ありすたちのふぁっしょんしょーね!!」 その叫びにほかのありす達がざわめく。 「ゆゆゆ!!ほんと!?」「やだまだおめかししてないよ!!」 「あー…ちょっとちがうけどだいたいあってるお」 めーりん達はありす達を取り囲み 一斉に跳ねた。 「「「「ゆ?!」」」」 なにが起きたか認識する事はできなかっただろう。 ゆっくりめーりんの猛烈な体当たりが一撃でありす達の命を奪ったのだから。 ありす達はまるで一枚のカスタードパイの如くくっ付きあい混ざり合っていた。 あふれ出したカスタードクリームをじゅるじゅると吸い、めーりん達は空腹を満たした。 牢獄の中のゆっくりはその大半が加工所への納入品となるかめーりん達の餌となる。 そうならなかったごく一部のゆっくりも親元に帰れるわけではない。 かれらもまためーりん種の犠牲となる運命である。 ある日、一匹のめーりんが廃坑からあるゆっくりを連れ出した。 「じゃ、おまえたちはきょうからじぶんたちのすでくらすお!!」 めーりんにそう告げられたのは まだ若いれいむとまりさの夫婦に 何匹かの子ども達 「ゆ!れいむたちはすだちをするんだね」 「ついにいっこくいちじょうのあるじなんだぜ」 「おかーさん、やったね!!」 「みんあでゆっくりちようね!!」 彼らは今まで巣立ちを拒んでいたわけではない。 幼い頃から育ててくれためーりんの「おまえたちはまだはやいお!!」という言葉に従ったのみ 子どもを作ったのも「いざというときはかずはおおいほうがいいお!!」とのめーりんの言葉による。 「じゃ、ついてくるお!!」 そういってめーりんは一家を廃坑の外へと連れ出した。 そしてそのまま森の外へと進んでいく。 森を抜けるとそこにあるのは人間達の土地、人里 ずっと廃坑で育った一家には見た事が無いものだった。 「ゆゆ!おっきなものがいっぱいだよ!!」 「きょうからおまえたちもあれにすむんだお!!」 「ちょーなの!!」「ゆっくりできそうだね!!」 人里の外縁部を進んだ一行は一軒の家で立ち止まった。 それなりの大きさの家であり住人の暮らしぶりも悪くなさそうである。 「きょうからここがおまえたちのすだお!!」 「おっきないえだよ!!」 「いいいえなんだぜ!!」 「じゃ、はいるお」 そういってめーりんは近くに落ちていた石を咥えると 顔面から雨戸に体当たりする。 「ゆゆ!!めーりん!!」 「だいじょうぶなのかだぜ!!」 「これくらいどうってことないお!!」 石を咥えて木の板をぶち破る。 分厚い皮を持つゆっくりめーりんのみにできる芸当である。 少々の切り傷はどうということもないのだ。 中に入ったゆっくり達は家の中をきゃいきゃいと騒ぎながら駆け回る。 「ゆ!ここにおいしそうな食べ物があるよ!!」 「きれいなお花があるよ!!」 「このしきものはゆっくりできそうだぜ!!」 「じゃーおまえたち。ちょっとあつまるお」 めーりんの言葉に集まるゆっくり達 卓袱台の上にのっためーりんはゆっくり一家にこう言った。 「じゃ!ここをもっとゆっくりできるようにするお!!」 それからは一家の共同作業 めーりんの指示に従い、鉢植えをひっくり返して土を撒き 仏壇を倒して中の物を放り出し、中に枯れ草や落ち葉を運び込む。 まりさが気に入った敷物には戸棚の中にあった蜂蜜を塗りたくり 戸棚の中の食器類を叩き割ったり床の間のけ軸に絵を描く作業を 子ども達は嬉々としてこなした。 見つけた食料品にも迷わずに手をつける。 野生のゆっくりならば見た事がない既成品や菓子類等は避け、野菜類を選ぶだろう。 だがこのゆっくりたちは廃坑の中で人と同じものを餌として与えられていた。 なんであるかはすぐわかる。 「じゃ、これでゆっくりできるようになったお」 「ゆっくりできるね!!」 「あとすこししたらおにいさんというにんげんがくるお えさはそいつにもってこさせるお!!」 これまで一家は人間を見た事がない。 めーりん達の話でゆっくりの言う事はなんでも聞く ゆっくりの命令に従うのが大好き、と聞いたくらいだ。 今まで餌はめーりんが持ってきてくれた。 これからは人間が持ってくるのだろう。 「わかったよめーりん!!」 「これからはここでゆっくりするんだぜ!!」 「じゃ、げんきでくらすお!!ゆっくりするんだお!!」 めーりんが立ち去ってからしばらくした後 帰宅したこの家の主人が見たのはゆっくりによって荒らされた我が家 部屋中に土がばら撒かれ仏壇は引き倒されている。 小さなゆっくりが乗って遊んでいるのはどう見ても位牌であり 亡父が遺した掛け軸は煤で汚され、一緒に酒を酌み交わした杯は粉々に砕けかれていた。 ゆっくり達は彼を見るなりこう言った。 「おにいさん!!ここはれいむたちのおうちだよ!!」 「はやくたべものをもってくるんだぜ!!」 「どりゃやき!!」「きんちゅば!!」「だいふゅく!!」 その日の夕刻 ゆっくり加工所にゆっくりであった塊を持ち込む主人の姿があった。 ゆっくりたちに畑荒らし、家荒らしをさせるのもめーりん種を守る策の一つだった。 他のゆっくりが暴れるほど「いいゆっくり」たるゆっくりめーりんの評判は良くなる。 本来ゆっくりの生息域は人間のそれとはほとんど重ならない。 大抵のゆっくりは人間の存在すら知らぬままにその一生を終える。 ゆっくりが急速に増加した頃、一部のゆっくりが人里に接した事もある。 だがそれも「にんげんはこわい」との情報がゆっくり社会にもたらされると共に引いていった。 現在の被害の殆どはゆっくりめーりん達の工作によるものであるを 人里の人々が知る由もない。 「ゆっくりの被害」に喜ぶのはめーりん達のみではない。 きもんげも、である。 「ゆっくりの被害」を喧伝しゆっくりは害獣であるというイメージを 人々に植え付ける、ことでゆっくりへの抵抗感を減らす事が出来る。 人語を解するゆっくりを食用にする事に抵抗感を覚える人間は少なくないのだ。 きもんげはめーりん種の保護という約定を忠実に履行した。 かつて部下が見つけた新種のゆっくりとしてゆっくりめーりんを持ち込み 「こいつはほかのゆっくりにいじめれとった気の毒なゆっくりや こいつくらいは何もせんといてやろうと思うんや。」 と言ったのは他の誰でもないきもんげである。 その後も商品開発部門からはゆっくりめーりんを使用した新製品が何度か提案されている。 辛味のある餡を利用した調味料や分厚い皮を加工しての効率的な饅頭生産法などだ。 とくに後者は餡子は作れても皮は作れぬゆっくりの弱点を補う案として注目されたが 全てきもんげによって潰されている。 職員の間では「あのきもんげさんにも情けの概念があるのか」などと噂されているが その実は利益の為なのだ。 加工所以外にも 幻想郷に存在するその他いくつかの研究機関に対しても きもんげが『資金援助』を行いゆっくりめーりんの真実が漏れる事を防いでいる。 きもんげはその他にも様々な策を講じていた。 とある野原の真ん中で一匹のゆっくりめーりんが「しえすた」を行なっている。 「ZZzzz…ZZZzzz…」 そこにやってきた人間の子供たち 人懐っこい事で知られるゆっくりめーりんを見つけて声を掛けた。 「めーりん!一緒に遊ぼう!!」 「じゃおん!?」 声を掛けられためーりんはバネ仕掛けのおもちゃのように跳ね起きる。 そして 「じゃお!めーりんはぎょうむちゅうだお!!おきゅーりょーよこすお!!」 寝ぼけているのだろうか。 ぴょんぴょんと跳ねて子供たちにまとわりつく。 「めーりんが喋った!!」 ぎょっとしたように固まる子供たち 「じゃお!ぷろれたりあーとにちんぎんをよこすお!!このぶるじょあのいぬめ!!」 「こいつ可笑しいぞ」 「めーりんは喋らないよな?」 「あ、こいつみすずなんじゃないか?」 「きっとそーだよみすずだよ!!」 子供たちが言う「みすず」とはゆっくりめーりんに偽装するという「ゆっくりみすず」の事である。 加工所出版部門によって刊行される「ゆっくり図鑑」によれば その主な特徴は「よく喋る」「ゆっくりめーりんを騙る」「他のゆっくりに襲い掛かる」こと。 捕食種であるとも書かれている。 このゆっくり、つまるところはゆっくりめーりんである。 種族間の結束が強いゆっくりめーりんにも時折はぐれはいる。 そのはぐれによって、あるいはなんらかのアクシデントによって 「喋る事が出来ない」「心やさしい」「他のゆっくりにいじめられる」 ゆっくりめーりんのイメージが壊される事を防ぐための処置だ。 「じゃ!みすずじゃないお!めーりんだお!!」 「うわ、でたよめーりん騙り」 「喋る時点でバレバレだろ。」 ゆっくりめーりんはいいゆっくり なればそれを騙るのはわるいゆっくり 「ゆっくりってのは恥ってのを知らないのかな。」 「知ってればこんな事しないだろ。」 「害獣は駆除しないとな。」 めーりんを取り囲んだ子供たちは鞠を蹴る様にめーりんを蹴り上げ始めた。 「!!!やめ 「それ!」じゃぉ!」 「よっと!」じゃぅ!」 「はっ!」じゃ…ぉぉぅ」 ぽんぽんと蹴り回されるゆっくりめーりん いくら分厚い皮をを持っていても蹴り上げ続けられれば身が持たない。 徐々に削れ中身のピザまんが露出し始めた頃 ゆっくりめーりんに一匹のゆっくりが飛び込んできた。 それは同族のゆっくりめーりん まったくの初対面であるがこの状況で同族は救いの神に見える。 「じゃおぅ!めぃりぃん!めぃりぃん!たすけふめぃり…」 同族への必死の懇願 守る事を好むその身体で今こそ自分を守ってくれという願い 吐き出される息に混ぜられたサイン それが叶うことは無かった。 蹴り殺される同族を目にしながら ゆっくりめーりんは微動だにしなかった。 「じゃおおぅぅぅ…」 限界を迎えたのだろう。 茶色い中身をぼろぼろと落としながら ゆっくりめーりんは動かなくなった。 「あー、死んじゃったじゃ。」 「行こうぜ」 「お、めーりんだ」 「見ろよめーりん。みすずをやっつけたんだ。」 子供たちとともに歩むゆっくりめーりんの顔には一片の翳りもなかった。 なぜなら今蹴り殺されたのは「ゆっくりみすず」だから。 守る事を知るめーりんは全力を持って無視という防衛行動をとった。 守るべきはゆっくりめーりんという種であるからである。 なお加工所出版部発行「ゆっくり図鑑」であるが 全種総天然色イラスト入り、ポケットサイズの図鑑には 様々なゆっくりの生態が書かれている。 人々が噂する 「れいむ種は強いものに媚びる」「まりさ種はすぐ裏切る」「ありす種は性欲の権化」などの 話の大本は大抵この図鑑である。 他のゆっくりのイメージを下げる効果を期しての記述だ。 この図鑑の信憑性は上の下といったところ。 各所に織り込まれた「意図」はこの図鑑の学術的価値と引き換えに 大いなる利益を加工所にもたらしている。 加工所出版部門は「ゆっくり虐待専門誌」も刊行している。 人里にゆっくり虐待ブームを仕掛ける策は見事に成功している。 子供を中心に据えた計画であったが成人や妖怪の中にも愛好者が増えているとか。 虐待グッズの売り上げも向上し、金が金を産む理想的な状況に近づきつつある。 このままめーりん以外のゆっくりを食品、娯楽品以上に見る人間がいなくなってくれれば、というのが 現在のきもんげの願いだ。 自分達以外の全てを犠牲にし繁栄する最強の弱者ゆっくりめーりん 全ての犠牲を吸い取り膨れ上がるきもんげ 両者の関係はこれからも続くだろう。 その関係に終わりが来るのか否か、それは誰にもわからない。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1089.html
近年野良ゆっくりの勢力が拡大してきた。 畑を荒らし食料を貪る野良ゆっくりは もはや山賊と呼ばれていた。 そんな幻想郷のある時代のできごと・・・ ・・・・・・野生のゆっくりが里の畑に忍び込んできた。 地上から、うーぱっくを経て空中から、 数十・・・いや、数百・・・。 繁殖期の後だからなのか、数は限りなく多かった。 「山賊が来たぞー!」 畑の持ち主と思われる男の声を合図に、畑の横の小屋から 十数匹のゆっくりが飛び出した。 小屋から出たゆっくりは、 リボンをつけたれいむ種でも、 金髪帽子のまりさ種でも、 その他のどのゆっくりでもない風貌をしていた。 上部に布をターバンのように巻き、目だけあけて下は また別の布で覆われている。 その風貌はまるで、人間の暗殺者のようだった。 「ゆっ!?」 「むーしゃ!えっ!?」 最も小屋に近かった野良ゆっくりが、 それらの接近を一番早く感じた。 スパッ しかしその瞬間、野良ゆっくりは上半分が宙を舞った。 「ゆ!ゆっくりがなかまをころしたよ!」 「ゆ!どうぞくごろしはわるいゆっくりだよ!」 「むきゅ!わるいゆっくりにはせいさいをくわえないとね!」 仲間がやられたことに気づいたのか野良ゆっくりたちは畑を荒らすのをやめた。 そして布に身を包んだゆっくりたちを攻撃し始めた。 「「「「ゆっくりしね!」」」」 まるで雪崩のように布ゆっくりに殺到する野良ゆっくり。 しかし、布ゆっくりはやられなかった。 むしろ野良ゆっくりが次々と餡子になっていく。 「ゆぎゃああああああああああああああああ」 「なんでええええええええええええええええええ」 野良ゆっくりたちはパニックになった。 大勢で責めれば勝てるはず そういう計画だったのかもしれない。 畑がだんだん餡子のじゅうたんに包まれていく。 「いだいいいいいいいいいいいいいいいいい!ぐぎゅ!」 運良くかすり傷で済んだ者も、痛がってる間に攻撃を食らってしんでいった。 布ゆっくりが強いのにはわけがあった。 ゆっくりとは思えない俊敏な動き。 躊躇せずに攻撃をする集中力。 そして何より、布ゆっくりはナイフを持っていた。 「これが・・・研究の成果ですか・・・。」 「長い研究が実を結び、ようやく夢を果たせた。」 眼下に布ゆっくりによる野良ゆっくりの虐殺を見下ろしながら、 小屋の屋根に立つ人間の男女が話している。 「それにしても、どうやって武器を口にくわえずに 持っているんでしょうか?」 女が言う。 「ゆっくりの餡子に手の役割を持たせたのさ」 「餡子に?」 「そう、研究の結果、ゆっくりの中の餡子は 同じように見えて、実は役割ごとに分かれていた。 人間でいう胃の役割をする餡子。 肝臓の役割の餡子。 脳の役割の餡子。 その中に人工的に作ったゆっくり自身が自由に操れる餡子を注入する。 その餡子は、ゆっくりの意思で形や硬度を変えることが出来る。 それを体から出すことによって、餡子を手のようにして使うゆっくり・・・ 目の前の布づくめのゆっくりが完成したんだ・・・。 お、終わったようだな。」 男がそういったとき、畑に侵入した野良ゆっくりは全滅していた。 「あれ?一人足りないな・・・」 男が言う。 「はっ!にげたさんぞくのいきのこりをおっていきました。 まもなくかえってくるかと・・・。」 布ゆっくりのリーダー格と思われるゆっくりが男に答える。 「すごいですね。 ゆっくり独特のゆったりした口調じゃなく 人間のようにはきはきと喋ってますね。」 「脳の役割の餡子を改造して教育したんだ。 もうこいつらの中でゆっくりな部分は体だけだろう。」 その後、畑の持ち主からお礼の食料を貰い、 畑中の餡子を取り除く薬品を渡して、 男は布ゆっくりと共に畑を後にした。 戦闘用のゆっくりを開発する。 それがこの男のしていた研究だった。 男はかつてゆっくり研究所で 研究のネタを探していた。 そんなある日、ゆっくりを観察するために 森に入った時に男は見た。 ゆっくり界で最強と謳われているドスを 口に刃物をくわえ、俊敏な動きで 一方的に攻撃し、仕留めたゆっくりを。 気づくとそのゆっくりは既に去っていった。 しかしその光景は男の研究意欲をそそるのには十分だった。 それから男による戦闘用ゆっくりの研究が始まった。 初めは武器を持たせたり、 教育を重ねていく方法を取ったが 最後は本能に負けゆっくりしたあげく 教えたことを忘れたりして中々上手くいかなかった。 そんな中、ゆっくりの餡子の秘密が解明された。 男はすぐさまゆっくりの餡子の改造に着手した。 まずは脳となる餡子に手を加えた。 仮死状態にしたゆっくりの頭部をくりぬき、 脳の部分の餡子だけを摘出した後 砂糖をかけたりシロップを混ぜたりして手を加え 餡子を戻してくりぬいた部分を治療し、 蘇生させて様子を見るという作業を何百回も重ねた。 そうして狂っているゆっくりや植物状態の脳死ゆっくりが出来たりしたが 苦心の末、ゆっくりするという本能を無くしたゆっくりを作ることに成功した。 これによって、教育しだいで無限の可能性を秘めたゆっくりが完成した。 男はゆっくり学会で表彰を受けたが まだ研究は終わっていなかった。 脳改造で戦闘意欲のあるゆっくりは出来るが 攻撃手段が乏しかった。 ゆっくりは手が無いので口で物をくわえる事しかできない。 それでは扱える武器などたかが知れている。 義手をつけるという案もあったが 重さゆえ耐え切れるゆっくりはおらず、 義手の重みで皆潰れていった。 悩んだ末、男は餡子に着目した。 内臓となり脳となるゆっくりの餡子。 それならば手の役割の餡子を加えれば、と。 餡子の開発は容易なことではない。 加える物質の分量が1mg違うだけで 大きく変化するのだ。 男は一年かけてゆっくりが自由に操ることの出来る餡子を開発した。 使い方はこうだ。 その餡子を注入した後、 注入に使った穴は閉じずにあけえておく。 こうすれば普段は餡子の手で穴を塞ぎ漏れることは無い。 武器を持つときは穴から餡子の手を出し、武器を包み固める。 後は餡子の手をぐりぐりと回せば武器を振れる。 その研究が完成した頃には、もう研究所は潰れ、 野良ゆっくりの襲撃でいくつかの里が消え、 多くの犠牲者が出ていた。 男は研究の成果である十数匹のゆっくりアサシンをつれ、 各地でゆっくりの襲撃を抑え、その報酬で生計を立てた。 「そろそろ、野良を殲滅するかな・・・。」 男がつぶやく。 「さとのちかくにすをかまえているさんぞくのみにしましょう ぜんぶころすとせいたいけいにえいきょうがあるかと・・・」 隊長ゆっくりが言う。 そんな会話をしながら、野良ゆっくりの巣のある方向へ足を進めていた。 ---------------------- 続く・・・かも ---------------------- 後書き 虐待ですらない研究日誌だこれ 初めて書いたのがこれでは先が思いやられますね ゆっくりアサシン~お兄さん遊び編 このSSに感想を付ける
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やぁ。ぼくは虐待お兄さん。みんな元気にいじめてるかなー? 自分で虐待お兄さんって呼ぶのは変だって?まぁそれはさて置き。 新たないじめグッズを探そうと香霖堂に出掛けた帰り。 「「「ゆっく「ゆっくりしていってね!!!!!」 「「「「「ゆ゛っ!!!」」」」」 我が家の扉をくぐると、案の定玄関兼トラップに饅頭どもが掛かっていた。 玄関には鍵がかかってないが、その奥は流石に荒されると困るので鍵をかけてある。 バスケットボール大のゆっくりまりさとれいむが1匹ずつ、 加えて二まわり小さいまりさが4匹、れいむが3匹。親子だろう。 「ここはれいむのおうちだよ!!!ゆっくりできないおにいさんはとっととでていってね!!!ぷんぷん!!!」 「「「「「「「でていっちぇね!!!ゆっくちちにゃいででていっちぇね!!!ぷんぷん!!!」」」」」」」 ぼくに挨拶を遮られてお怒りになったようで、頭から湯気を上げている。おお、こわいこわい。 「ここはお兄さんのおうちだよ。ばかなれいむは早く出て行ってね!!!」 「ゆ?ばかなのはおにいさんのほうだよ!!! だれもいなかったかられいむのおうちだよ!!!」 「そうだぜ!!!ここはまりさのおうちだぜ!!! ばかなおにいさんはゆっくりでていけだぜ!!!」 まずは定石通りの挨拶から。この後のお仕置きを心待ちにして笑顔で受け答え。 「ゆー!おきゃあしゃんまりしゃおなかしゅいたよー!!!」 「れいみゅもれいみゅもー!!!」 「ゆゆ?おにいさんははやくまりさたちにごはんをもってくるんだぜ!!! それができないならとっととでてくだぜ!!!」 「はいはいゆっくり待っててね。」 ぼくはちょうど生ゴミとして出そうと思っていたくず野菜を取り出した。腐ってはいない。 但しその中にはゆっくり用利尿剤を仕込ませてある。 「はーい注目ー!これからお兄さんがごはんをあげるから、良い子はゆっくり並んでまっててね!!!」 「「「「「「「ゆゆー!!!」」」」」」」 子供達は我先にと集まってくる。だが・・・ 「「「ゆ゛あ゛ああぁぁぁああ!!」」」 「「ゆべじ!!!」」 「まずはまりさからなんだぜ!!!ちびたちはゆっくりまっててね!!!」 「「「いぢゃいよ!!!どぼじでごんにゃごどじゅるにょぉおおお!!!」」」 「ちびちゃんにな゛に゛す゛る゛ぼぉおおおおおおおぉぉおお!!!」 後から突撃してきた親まりさに敢え無くすっ飛ばされる。 親れいむは我が子が傷つく様子を見てゆーゆーと涙を流しているが何もしない。 おお、あわれあわれ。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 親まりさは我が子や伴侶の様子も目に入らず、満面の笑みを浮かべている。 「ゆゆっ!まりさゆっくりちーちーしたくなってきたよ!!! おにいさんはあっちむいててね!!! 饅頭にも羞恥心ってあるんだね。感心しているとまりさは体を後ろに傾け・・・ 「はーい、お兄さんの言うこと聞けなかったまりさはお仕置きだよー!!!」 「ゆゆゆ?なにいってるのぜ???」 「いい子は並んで待っててって言ったよね?聞いてないの?ばかなの?」 「は、はなせだぜえええええええええ!!! はずかしい!!!みないで!!!あっちむけだぜ!!!」 まりさの頭を帽子ごと鷲掴みにして、家族の前に突き出した。 「れいむ、れいむううううううう!!!まりさをゆっくりたすけるんだぜえええ!!!」 当の家族達はと言うと、 「「「「「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー♪」」」」」」」 「むーしゃ、ゆっくりできないまりさはむーしゃ、おにいさんにおしおきされててね!!!しあわせー♪」 当然の結果であるが、 「でいぶどぼじでえ゛え゛え゛えええぇぇぇえええぇぇええ!!!」 まりさは見捨てられた失望から哀れな悲鳴を上げている。 ぼくは懐から鉛筆を取り出し、まりさの顎の下を至近距離で見つめていた。 「や゛め゛でえ゛え゛ええええええ!!!までぃざのぢーぢーみ゛な゛い゛でぇぇええええ!!! でちゃう゛!!!でぢゃう゛う゛うううぅぅううううう!!!」 ちょろちょろちょろ・・・ 「ゆ・・・ きーもちーちー・・・」 まりさの顎から一筋の水流が流れだした。 「はーい、それじゃお仕置きだよー!ゆっくり反省してね!!!」 「ゆ゛、ゆ゛があ゛あ゛ぁぁああああああああああああ!!!」 ぼくはその水源目がけて鉛筆を突き立てる。 「ぢーぢーでな゛い゛、でな゛い゛ぼお゛お゛ぉぉおおおおおおおぉぉおおお!!!」 更にその鉛筆でゆっくりと内部を掻き回していく。 「ゆ゛がっ、ゆ゛っぎゃああああ、ゆ゛がっ、ゆ゛がっ、ゆ゛っぎゃあ゛あ゛ぁぁあああああぁぁあああ!!!」 まりさはぼくの指の動きに合わせて悲鳴を上げている。 「ゆゆっ!まりさがくるしがってるよ!!!おにーさんはとっととまりさをはなしてね!!!」 「「「「「「「やめてあげちぇね!!!おきゃーしゃんをはなちて!!!」」」」」」」 「お仕置きだから仕方が無いんだよ。ゆっくり理解してね!!!」 「ゆゆー!ゆっくりわかったよ!!!まりさはゆっくりはんせいしていってね!!!」 「「「「「ゆっくちはんしぇえちていっちぇね!!!」」」」」 「で、でい゛ぶひどい゛だぜ、ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あああぁぁあああああ!!!」 「ゆゆっ!れいむもゆっくりちーちーしたくなってきたよ!!!」 「まりしゃもちーちーしちゃくなっちぇきたよ!!!」 「まりしゃも、まりしゃもー!!!」 「れいみゅもちーちーすりゅー!!!」 「ゆゆっ?れいむたちはちーちーするからゆっくりおにいさんはあっちむいててね!!!」 「「「「「「「「みにゃいでにぇ!!!あっちむいちぇちぇね!!!」」」」」」」」 「ところでみんな、ここは誰のおうちかなー?」 「ゆ?なにいってんの?ここはれいむのおうちだよ?ばかなの???」 「「「「「「「ばきゃなにょ???」」」」」」」 「残念でしたー!ここはお兄さんのお家だよ!!! ばかなれいむと釣られたちびちゃんたちはゆっくりお仕置きだよ!!!」 「ゆっ、ゆ゛あ゛あああぁぁああああああ!!!」 「おきゃあしゃん、ゆ゛ぎゃぁああああああああ!!!」 「ゆ゛っぐじじだいよぉお゛お゛おおおおおお!!!」 「たじゅげで!!!おぎゃあじゃんだじゅげでえええええ!!!」 ぼくはれいむとちび饅頭どもにも残らず鉛筆を挿入すると、 まりさも含めて鉛筆を中心に向けて円陣に配した。 更に中央には携帯電話の1個を置いてガムテープで鉛筆を固定する。 「「「「「「「「「ゆ゛ゆ゛っ!!!ゆ゛うううぅぅううう゛う゛うううぅぅうう!!!」」」」」」」」」 痛さと、尿が出ない苦しさからゆっくり達はゆーゆーと涙を流している。 鉛筆が刺さるは足の付近であるため、逃げだそうとすると激痛が走る。動けない。 「はーい、もう1回聞くよー!ここは誰のおうちかなぁ?」 「こ、ここはまりさのおうちだぜ!!! ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン 「「「「「「「「「ゆ゛あ゛ぁぁっ、ゆ゛あ゛ぁぁっ、ゆ゛あ゛ぁぁっ」」」」」」」」」 もう一方の携帯電話を操作して中心部の携帯電話を振動させる。 饅頭どもはそれに合わせて悲鳴を上げ、顔を歪める。 香霖堂のにーちゃんによるとばいぶれーしょんって言うものらしい。 「「「ゆ゛、ゆ゛ぅうう・・・」」」 振動を止めてゆっくり達に語りかける。 「言い忘れてたけど、一人でも間違ったらみんなお仕置きだよ!ゆっくり理解してね!」 「なにいってるのまりさ!!!ばかなの?ここはれいむのおうちにきまって・・・ 「はーいまた不正解! みんなお仕置きーー!!!」 ヴィーン、ヴィーン、ヴィーーーーーーン 「「「「「「「「「ゆ゙あ゙っ、ゆ゙ぎゃっ、ゆ゙あ゙あ゙ぁぁぁあああああ!!!」」」」」」」」」 「誰か一人でも正解できたらみんな放してあげるよ!ゆっくりがんばってね!!」 「「「ゆ゛・・・・ゆ゛ううぅぅううん・・・」」」 「早くしないとお仕置きだよ、ゆっくりしないでね答えてね!さん、に、いち!」 ヴィヴィヴィ、ヴィヴィヴィ、ヴィヴィヴィ・・・ 「「「「「「「「「ゆあ゙っゆあ゙っゆあ゛っ! ゆあ゙っゆあ゙っゆあ゙っ!・・・」」」」」」」」」 「ゆっゆっゆっゆっゆっ・・・」 振動が止んでも一匹の子まりさの鳴き声が止まらない。 「ゆーんれいみゅう♪」 「どうちたにょまりしゃ?」 「なんかまりしゃしゅっきりしたくなっちぇきたよ! ゆっゆっゆっゆっ♪」 「や゛、や゛べでぇぇえええええ! しゅっきりしたらゆっくちできにゃああああい!!!」 「お仕置き中にすっきりしたがるまりさちゃんはお仕置きだよ、みんなもだけどね。ゆっくり理解してね!!!」 ヴィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン 「「「「「「「「「ゆ゛っぎゃあ゙あ゙あああぁぁぁあああああああああああ!!!」」」」」」」」」 「「「「ま゛り゛じゃのへんちゃい!!!しきじょおまぁあああ!!!」」」」 「ぢょぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ぼぉおおおおおおおお!!!」 難しい言葉知ってるんですね。おお、すごいすごい。 「「「「「ゆぅ・・・ ゆぅ・・・ ゆぅ・・・」」」」」 さすがに疲れてきたようで、静かな息を湛えている。 「はやくおうちかえりちゃいよー・・・」 「なにいってるの・・・ここはれいむの「ここはおにいさんのおうちだぜ!!!ゆっくりはなしてくれだぜ!!!」 間一髪、まりさの機転だった。本心かどうかはわからない。 「はーい正解!約束どおりみんな放してあげるね!!!」 「「「「「ゆっ!ゆゆーーーーーーーーん!!!」」」」」 久々に饅頭どもに笑顔が戻る。 「ゆゆっ、せいかいしたんだからゆっくりれいむたちからぼっこをぬいてね!!!」 「正解したのはまりさだけどね。お兄さんは放してあげるとは言ったけど棒を抜くとは言ってないよ。ばかなの?」 「「「「「「「「「ゆっ!!!ゆ゛あ゛あ゛ぁぁあああああああぁぁぁあああぁぁあ・・・」」」」」」」」」 饅頭どもは再び絶望に満ちた表情に戻り、ゆーゆーと涙を流している。 「ところでれいむ?ちーちーしたくないのかい?」 「ゆゆっ?れいむゆっくりちーちーするよ・・・ ゆ゛がっ!!!い゛だい゛い゛ぃぃいいいいいい!!!」 「「「「「「「ぢーぢーでにゃいよぼぉおおおおおおお!!!」」」」」」」 「お゛、お゛に゛い゛ざんはゆっぐじま゛り゛ざにぢーぢーさせるだぜええええええ!!!」 「何度言わせるかなぁ、お兄さんは君達のちーちーまで責任取れないよ。ゆっくり理解してね!」 「「「「「「「ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!」」」」」」」 饅頭達は増大する尿意、痛みを堪えて懸命に抜け出そうとしているがもちろん簡単にはいかない。 「ゆゆっ・・・やっと抜け出せたぜ・・・ちょろちょろちょろ・・・」 30分後、親まりさが漸く鉛筆から抜け出した。疲れ果てながらも尿道からどぼどぼと水浸しの餡子を垂らしている。 「はいっ、まりさはゆっくり掃除してね!」 「ゆゆっ、なんなのぜ?」 「ここはお兄さんのお家だから、汚いちーちーまみれの餡子を垂らしたまりさは責任とって掃除していってね!!! きれいに掃除できたらみんなのぼっこ抜いてあげてもいいよ!!」 「ゆ・・・・まりさのちーちーきたなくないも・・・・・・」 「まりさはがんばってれいむたちをたすけてね!!!」 「「「「「「「たしゅけちぇね!!!」」」」」」」 「も、もうこりごりだ・・・まりさはさきにかえるだぜ・・・」 「ど、どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉおおおおおおぉおおお!!!」 「「「「「「「お゛ぎゃあじゃん゛の゛ひとでな゛ち゛ぃいいいいい!!!」」」」」」」 そう言ってまりさはとぼとぼと歩きだし・・・ すぽっ!! まりさの帽子が取り上げられる。 「助けを求める家族を見捨てるまりさは悪い子だね!!!ゆっくり家族を助けていってね!!!」 「までぃざの、までぃざのぼおじぃいいいいいぃいいいいい!!!」 餡子を垂らしながらぴょんぴょん飛び跳ねる。なんだまだ元気あるじゃん。 「自分の汚したところきれいに食べていってね!!!さもないと帽子返してあげないよ? ゆっくり理解していってね!!!」 「ゆ゛・・・ゆ゛ぅ・・・」 「ぺーろ、ぺーろ、まずまずー・・・」 「あれ?まりさ?さっきまりさのちーちーきたなくないもって言ってたよね?」 「ゆ゛・・・ゆ゛ぐぅ・・・・・」 「あとそっちもまだ汚れてるからゆっくりぺろぺろしていってね!!!」 「ゆ゛・・・・・も゛う゛い゛やだお゛う゛ぢがえ゛り゛だい゛ぃぃいいいい!!!」 「まりさはゆっくりしないではやくれいむたちをたすけてね!!!ぷんぷん!!!」 「おきゃーしゃんがんばっちぇー!!!」 「ゆ゛・・・ゆ゛う゛う゛う・・・・・」 「はーいまりさちゃん御苦労様!それじゃみんなゆっくり助けるよー!」 約束は約束。すんなり助けてやることにする。 「「「「「「「「ゆゆっ!ゆっくちちーちーできるよ!!!」」」」」」」」 「ちょろろろろろ、しあわせー♪」 「「「「「「「「「ぷりゅぷりゅりゅ、ちあわちぇー♪」」」」」」」」 辺りに餡子まみれの小便を撒き散らす。 「あれ・・・? まりさのぼうしどこ?どこなの?」 親まりさはきょろきょろと辺りを見回す。 「あーあ、また汚れちゃったね・・・きれいにしないと。おっとこんなところに雑巾があるぞ?」 「ゆ゛ーっ!!!ま゙り゙ざの゛ぼおじでなにずるの゛!!!お゛に゛い゛ざんはゆ゛っぐじやべでね!!!」 「「「「「おきゃーしゃんをいじめにゃいで!!!やめちぇあげちぇね!!!」」」」」 ふきふきふきふき っと。 「ばりざのぼおじ、ばりざのぼおじいいいいい!!!」 「どうぞ、返してあげる♪」 「ゆ゛ゆっ!!!ゆ゛ぎゃあ゛ぁぁあああああばでぃざの゛がわ゛い゛い゛ぼう゛じがぁぁぁあああああ!!!」 餡子まみれの小便まみれ。甘い中にも鼻を突くような香りがする。 「ゆゆっ?まりさのぼうしくさくてきたないよ!!!ゆっくりあっちいってね!!!」 「ど、どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛のぼぉぉおおおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「はーいれいむちゃん、頑張ってくれたまりさちゃんに何てこと言うのかなぁ?」 「ゆゆっ?ぼうしのくさいまりさとはゆっくりできないよ!!!」 「帽子なんかで判断しちゃうの?そんな人で無しはゆっくり反省してね!!!」 「ゆ゙べじ!でいぶのお゛り゛ぼん゛がえ゛じでぇぇええええぇぇええええ!!!」 れいむの頭を右足で踏みつけ、素早くリボンを奪い取る。 「や゙め゙でぇえ゙え゙ええぇぇえええぇえぇええ!!!でい゙ぶのお゙り゙ぼん゙でな゙に゙ずる゙ぼぉぉおおぉぉおおおお!!!」 「あーあ、また汚れちゃったなぁ。ふきふきふきふきっと。」 丹念に、床全体を仕上げていく。 「でいぶのだいじな、だいじなおぢぼんがえじでええぇぇええぇぇえ!!!」 ついでにまりさやちび達の傷口も拭いてあげる。 「きれいにしてあげる♪」 「ゆ゛ぁっ・・・ゆ゛ぐう・・・」 「おきゃーしゃんのおぢぼん・・・やわらきゃくてきもちいよ・・・」 「はい、とかいはなこーでねーとにしてあげたよー♪」 「ゆ゛あ゛っ!でい゛ぶの゛ずでぎな゛お゛ぢぼん゛がぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あああああ!!!」 びちゃびちゃかつリボン全体にカビが生えたかのごとく餡子まみれになった。おお、ひどいひどい。 「でいぶのおぢぼん、ゆっぐじぎれいにじでね!!!ゆっぐじぎれいにじでね!!!」 「おにいしゃんはゆっくちおきゃーしゃんのおりぼんをなおちてあげてにぇ!!!」 「お兄さんが折角こーでねーとしてあげたんだから、遠慮はいらないんだよ?」 全身を震わせ嫌がるれいむを両足で押さえつけしっかりと括りつける。 「「「「おきゃーしゃんいやがってるよ!!!やめちぇあげちぇ!!!」」」」 「やべでね!!!ゆっぐじやべでね!!! ぞんなぐざいのでいぶのおぢぼんじゃないぼおおぉぉおおおぉおおお!!!」 「はーいみんな御苦労様。ここはお兄さんのお家だよ。家族を見捨てちゃだめだよ。 帽子で人を判断しないでね。理解できたらゆっくり帰ってね!!!」 「でいぶわるくないぼおおおお!!!まりざがさいしょに・・・」 「まりさのせいじゃないも・・・」 どかっ 「ゆ゛がっ!!いだいのぜ!!!」 どかっ 「でいぶの゛ずでぎな゛がみ゛がぁぁあああぁぁあ!!!」 どかっ 「おきゃーしゃんをいぢめにゃいで!!!ゆわあああああん!!!」 「まりじゃはわるぐだいよ!!!ゆぎゃあああ!!!」 「おぎゃあじゃんのおぢぼんなおぢであげで!!!ゆびぇっ!!!」 「ゆぎゃ!!!どぼぢでごんにゃごどじゅりゅにょ!!!」 饅頭を一個一個、死なない程度の力で残らず蹴り出した。 だけどこれでは終われないよ。ぼくは虐待お兄さん。寺子屋の先生とは違う。 夕闇が近づく草原の中、満身創痍ながら我が家に向かう饅頭の後をゆっくりと付けていった。 つづくかも?と宣言していましたが収拾つかなくなりそうです。 続くとしたら少し違う話になると思います。 by まりさつむりの人 他に書いたもの 白玉楼系5 みょんとの出会い アリス系16 アリスのゆっくり水爆弾 ゆっくりいじめ系1293 ゆっくり昆虫型出産 ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 ゆっくりいじめ系932 愛しのありす ゆっくりいじめ系800 まりさつむりの記憶 このSSに感想を付ける
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短編集 ゆっくり童話 7KB 虐待-普通 制裁 パロディ 小ネタ 自業自得 ゲス れいぱー ドスまりさ 希少種 幻想郷 創作亜種 童話風の小説。虐待分がなく、童話も変更されている部分もあります。 (書いた小説) ふたば系ゆっくりいじめ 818 黒いオオカミ~chapter1~ ふたば系ゆっくりいじめ 838 黒いオオカミ~chapter2~ ふたば系ゆっくりいじめ 851 黒いオオカミ~chapter3~ ふたば系ゆっくりいじめ 894 ゆっくりが知ってはいけない、鬼ごっこ ふたば系ゆっくりいじめ 916 インフェルノ・ペスト ふたば系ゆっくりいじめ 957 暴飲暴食の豚王 ふたば系ゆっくりいじめ 975 自然の恵み ふたば系ゆっくりいじめ 1004 短編集 合体「ゆっくり×悪魔」 ふたば系ゆっくりいじめ 1037 短編集 選ぶとしたら・・・・ ふたば系ゆっくりいじめ 1112 スポーツでゆっくりを虐待!!in魔界 ふたば系ゆっくりいじめ 1139 ゆっくり実験するよ!! △注意事項△ ・希少種、胴付きゆっくりが登場します。 ・悪魔も登場します ・ゲスゆ、でいぶ、れいぱーは制裁ものもあります。 ・それでも良いという方は読んでください。 =始めに= ゆ虐待レストランへようこそ。私は支配人のマッドと申します。 さて、今回のメニューは「短編集 ゆっくり童話」です。 ゆっくりを絡んだコミカルな童話であります。 今回はそんなお話。 =その壱 「ヤマタノオロチ退治」= 昔々、この出雲の国に恐ろしい八つの頭に八つの尾を持つヤマタノオロチが現れました。 ヤマタノオロチはこう言いました。 「一週間まで、生贄となる者を差し出さなければ村を食いつくす。」 そういって、自分の住処へと戻りました。 村の人々は大慌てです。 最初は退治するという事も考えましたが、下手をすれば村は全滅してしまう恐れがある。 村の重鎮たちを集めて村長の家で話し合いの結果・・・ 村長が大事に育てていた胴つきのみのりこが生贄として選ばれたのです。 悲しみに暮れる村長とみのりこの姉である、胴つきしずは。 「すまん・・・みのりこ。ワシをゆるしてくれ・・・・」 「みのりこ・・・・」 「悲しまないで村長さん、皆さん、お姉ちゃん。オロチの生贄になれば・・・」 この姉妹ゆっくりはこの村のマスコットでもあり、 村に豊作をもたらすありがたいゆっくり。 だからこそ、村の人々はだれよりもこの姉妹を生贄にしたくない気持ちがある。 その時でした。 「話は全て聞かせてもらいました!!」 現れたのは背中に木刀を持った胴つきのようむでした。 彼女は胴つきのゆゆこの元で働いていて、偶然この村で食材を買いに行っていたのです。 村長はこう言いました。 「しかし・・・いくら、剣のエキスパートのようむさんでも、あの恐ろしい怪物を倒せません。」 「秘策はあるみょん。成功した時にみのりこをみょんのお嫁にください。」 「解りました。して・・・秘策とは?」 ようむの策はこうだった。 オロチはどれを生贄とするのかまでは言っていなかった。 つまり、ゲスゆやれいぱーを生贄として差し出してもありと言うわけだ。 オロチは満腹となって眠っている所を狙って退治する。 村の人々は総勢でゲスゆっくりをかき集めた。 そして、一週間後・・・・ 「やべでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「ま゛りざはま゛ずい゛んだぜ・・・ゆぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「このくしょへび!!きゃわいいれいみゅをちゃべ、ゆんやああああ!!!」 「ゆんぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!がみ゛ざんを゛だべな゛い゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「あ゛あ゛あ゛っ!!!あ゛りずのべにべにがぁぁぁぁ!!!」 「わぎゃ゛ら゛な゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!ぢぇ゛ん゛の゛しっぽざん゛を゛だべな゛い゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 見事にオロチはバクバクとゲスゆやれいぱーを食べている。 ゆっくりたちの絶叫がいいのかオロチは気分がいいようだ。 やがて、全てのゆっくりを喰らいつくした後、オロチはグゥーグゥーと眠りました。 ようむは寝ているオロチの首を全て叩き斬ったのです。 最後に尾を斬ろうとしましたが、そこだけは固かったのです。 何回もやるうちに、オロチの尾から光輝く剣が出てきました。 それは後に「草薙の剣」となる宝剣です。 ヤマタノオロチを退治した上、ゲスゆっくりたちの処分といった功績が認められて、ようむは出雲の国を治めて欲しいと言われましたが、 「村長と私の主、ゆゆこ様と治めて欲しい」と、辞退しました。 ようむはみのりこは結婚し、いつまでも幸せにくらしましたとさ。めでたし、めでたし。 =その弐 「浦島太郎」= ある所に浦島太郎と言う漁師兼ゆっくりの虐待お兄さんがいました。 今日は魚を釣ろうと海へやってきた所、何かの声が聞こえました。 「やめて、かっぱー!!」 「ゆっへへへー!!おとなしくまりささまのばんごはんになるんだぜ!!」 「かっこいいよー、まりさー!!がんばれー!!」 みると、ゲスのれいむとまりさが、にとりに絡まれているではありませんか。 浦島はこのれいむとまりさを追い払おうと話しました。 「こらこら、そこのゆっくりたち。にとりを苛めるの良くない。」 「ゆゆっ!!うるさいんだぜ、くそじじい!!」 「れいむたちはかわいそうなゆっくりなんだよ!!あまあまちょうだいね!!」 浦島太郎は仕方ないという、と思い。 二匹を持ちあげて海へと放り投げました。 「そぉい!!」 「「おそらをとんでるみたいーーー」」 ドッポーンと着水音がしました。 「「ゆぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じょ゛っ゛ばい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」」 バチャバチャともがきますが、それも弱まりゴボゴボと沈みました。 「かっぱっぱー♪助けて下さってどうもありがとうございました。」 「気にするな。」 「お礼に竜宮城へ招待させます。かっぱっぱー。」 「その竜宮城は何処にあるの?」 「海だかっぱー。にとりを持って海へ入って下さい。」 にとりの言うとおりに、抱きかかえて海へ入る。 すると、海の中に入っており、その先に色取り取りのサンゴ礁に囲まれた竜宮城があった。 すると美しい女性だが、下半身が魚であった。 「ようこそ、竜宮城へ。私は乙姫と申します。にとりが危ない所、助けていただいてありがとうございます。」 「いえいえ、気にしないでください。」 「お礼と言っては何ですが、貴方を竜宮城へご招待させます。」 そこはまるで夢のようだった。 豪華な食事、つむりまりさの組み体操、胴付きのいくさんとむらさの舞いでした。 十分に楽しんだ浦島ですが、地上が恋しくなってきた。 「そろそろ、帰らないと・・・」 「この玉手箱を貴方に授けますが、決して開けてはなりません。」 浦島はそう頷き、にとりと一緒に地上へ戻るのでした。 「それじゃあ、お別れかっぱー。さようならー」 にとりはそう言うと、海へと帰りました。 お兄さんも手を振りました。 「うーん・・・やっぱこのたまで箱の中身が気になるなー。」 箱を開けたいのですが、決して開けない様にと言われています。 と、その時・・・・ 「ゆっへへへへ!!そのきれいなはこさんをまりささまにわたすんだぜ!!」 現れたのはドゲスまりさです。 優に4mもあります。 これには到底かないませんので素直に玉手箱を渡しました。 ドゲスまりさは箱の紐を解いて開けると中から白い煙が出てきました。 「ゆっ!?なんなんだぜ!!」 どうしたことでしょう。ドゲスまりさはあっという間に干乾びて絶命しました。 そう、この玉手箱は、浦島が竜宮城で過ごしていた時間が入っていたのです。 もしも、浦島がこの箱を開けたとすると・・・このドゲスまりさと同じ運命にたどっていた事でしょう。 すると、玉手箱の中に金銀財宝に米俵が入っていました。 こうして、浦島は幸せに暮らしましたとさ。 =その参 「舌切り夜雀」= ある村のお姉さんは二匹のゆっくりを飼っていました。 一つはれいむ。もう一つは希少種のみすちーでした。 ある日、お姉さんは川へ洗濯に行っている間、れいむがみすちーをイジメていました みすちーは山へと逃げたのです。 そして、お姉さんが帰ってきた時、みすちーがいないことに気付きました。 「れいむ。みすちーはどうしたんじゃ?」 「みすちーはやまさんへかえるといったよ!!」 れいむはキリッと言いました。 しかし、れいむのバレバレの嘘を見抜いて、箒でバシバシと叩いて川へ流しました。 お姉さんはみすちーを追いかけて行きました。 「みすちー。何処にいるの?」 山の奥まで捜しましたが、見つかりませんでした。 帰ろうかと思いましたが、声が聞こえました。 「おおっ、そこのご老人、待って下さい。」 ヒュンヒュンと顔をシェイクしているのはきめぇ丸でした。 あまりにも不気味なため、他のゆっくりたちからゆっくりできないと言われている。 「こんな、山に入って降りるのは無謀無謀。」 「みすちーを捜しにここまで来たですが、見つからなくて・・・・」 「おおっ、みすちーなら、この先に居ます。」 きめぇ丸の後へ着いて行くと其処には多くのきめぇ丸やみすちーが住んでいました。 そこに、お姉さんが飼っていたみすちーが無事に見つかりました。 山を降りるのは明日にしておいて、きめぇ丸とみすちーの集落でご馳走を食べました。 翌日・・・みすちーと一緒に山を降りる準備をしました。 きめぇ丸が呼びとめました。 「お待ちください。この大きなつづらと小さなつづらをどちらか一つ、あげましょう。」 「では、小さめのつづらを貰います。」 お姉さんは小さいつづらを持って、山を下りたのです。 家に帰って小さいつづらを開けると中には小判が沢山、入っていました。 お姉さんは村一番の美系の男性と結婚して、幸せになりましたとさ。 めでたし。めでたし。 =あとがきだより= さーて、いかがだったでしょうか? 今回は希少種と胴付きの盛り合わせ。 今まで出てこなかったゆっくりがいましたからね。 では、また次回をお楽しみに・・・・・ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 普通種の扱いに草生える~ -- 2013-08-06 22 24 07 うーん誤字脱字が酷いよ…特に浦島……読みづらくて…すっきりできない… -- 2012-10-01 19 37 13 浦島太郎のとこ、ゲスがにとりに絡まれてるになってるw -- 2012-06-11 12 58 39 舌きり雀で、ひどい目に合うお婆さん役が居ないのが残念だぜ… -- 2011-01-09 13 25 09 読みやすかった。面白さは普通。 -- 2010-07-16 01 15 29 舌きり夜雀ではれいむが意地悪なおばあさん役だったらよかったと思う -- 2010-06-06 13 58 25
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飼いゆっくりれいむ 27KB ・れいむが死にません。 ・エロくありません。 ・最近れいむいじめがひどかったんで、れいむ愛でモード突入中。 ・仕事の都合もあって製作ペースが戻らないので、まだまだリハビリが必要な感じです。 『飼いゆっくりれいむ』 D.O 我が家は、築100年を軽く超える古風な木造家屋である。 爺さんの若かった頃は農業をしていたとのことなので、蔵もあれば庭もあり、 さらにその周囲は生垣をはさんで小さな林まで広がっている。 外から見れば、歴史の重み、どころか幽霊屋敷の雰囲気漂わせていることだろう。 現在の主である私が手入れを怠っているので、庭はコケと背の高い雑草が生い茂り、生垣も所々穴が開いているからなのだが。 私が子供の頃は、周囲にまだ多くの農家も残っていたが、 十年ほど前に、ゆっくりの大規模な襲撃が起こり、すっかり疲弊してしまったようである。 もう少し山に近い田舎に立ち上がった、のうかりんを使った実験農場計画が始まった頃に多くの農地は売却され、 実験農場が順調な現状を考えると、このあたりも数年後にはのうかりん印の農場になりそうだ。 現在では町、というには空き家が多すぎる、少々寂しい地域となってしまっている。 そんなある日、仕事から帰ってみると、 庭にサッカーボールサイズと、テニスボールサイズの饅頭が一つづつ落ちていた。 日が暮れているので良く見えないが、赤白リボンの奴はたしかれ・・・れ?ゆっくりだ。 「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇっ!」 「・・・・・・。」 家の電灯に照らされてみれば、薄汚れていて何ともゆっくりしていない奴等である。 少なくとも、見ているこちらとしてはゆっくりできない。 親子なのは間違いなさそうだが、親の方は全身余すところ無く、 マジックで唐草模様が描き込まれているあたり、町からやってきたのは間違いないだろう。 「にんげんさん、れいむはしんぐるまざーなんだよ!」 「へぇ・・・。で?」 「かわいそうなれいむたちを、ゆっくりかっていってね!」 「きゃわいくってごめんにぇっ!」 「・・・はぁ。」 なんだか、やり遂げた表情でこちらを見ている。 刈って、狩って、・・・いや、飼っていってね、か? どうやら、こんなにゆっくりしたおちびちゃんなんだから、人間さんも飼ってくれるに違いない、ということらしい。 とりあえずサンダルの裏を、その自信満々の顔面に押し当てて、塀の方に転がしてやることにした。 「ゆべしっ!」 「ゆぴぃぃいい!」 「・・・ペッ!」 噛んでいたガムが母れいむのリボンにジャストミートする。 「・・・・・・飯作ろ。」 別にゆっくりとやらに大した関心はない。 単に、コソコソ隠れているなら可愛げもあるが、ずうずうしさが気に入らなかっただけである。 これまでも野良猫やらなんやら、しょっちゅう仮の宿に使われていたので、 今更ゆっくりが庭に舞い込んだところで気にしない。 糞をばら撒かれないだけ、犬猫よりはありがたいくらいだ。 庭に住みたきゃ勝手に住めばいい。 こちらには当然世話する義務なんぞ無いのだから。 「ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛、ゆ゛・・・・」 「ゆっくりー!」 痛みから回復したれいむ親子の方は、感動に打ち震えていた。 なにせ気がついたら、母れいむのリボンにペタリとついているのは、あの憧れの飼いゆっくりバッジ。 れいむも遠くで見ていたときは気づかなかったが、バッヂがまさか人間さんが口から吐き出されたものだったとは。 まあ、自分達もナワバリ(無意味極まるが)にしーしーでマーキングすることは多いのだから、そういうものなのだろう。 ・・・などと考えながら、リボンにへばりついたガムを、嬉し涙に潤んだ目で眺めていた。 そう、れいむはついに、ゆっくりの中でも最もゆっくりできると言われる、 あの飼いゆっくりにしてもらえたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 便所から出て縁側を歩いていると、庭の隅に放置していた木箱から、れいむ親子が飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ん?まだいたか。」 朝からうるさい奴らだ。やはり猫の方がましだな。 「ゆーん。おにーさん、れいむたちにあさごはんちょーだいね!」 「ちょーらいにぇっ!」 昨日のゆっくり共が、これから仕事に行くという時に、なんだかずうずうしくゆぅゆぅ鳴いている。 「・・・・・・庭の草でも花でも、自分で適当に食え。」 「ゆゆっ!?おはなしゃん、たべちぇいいにょ?やっちゃー!」 「ゆーん、ごはんさんいっぱいだよ~。」 勝手に住むのはかまわんが、ゆっくりフードたら言うものまで買ってやる気など無い。 というか、ペットでもないのにいちいち飯などやらん。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 「むーちゃ、むーちゃ。ゆ・・ゆぇーん。」 「どうしたの、おちびちゃん。」 「れいみゅ、こんにゃにむーちゃむーちゃちたの、はじめちぇ。」 れいむ達は、飼い主であるおにーさんの愛情を全身で味わっていた。 なにせ、適当に食え、と言って指差した庭には、 柔らかそうなゆっくりした草、 タンポポやシロツメクサの類の雑草寄りの花、 背の低い木には実や柔らかい葉っぱ、 それに、今は何も成っていないが柿やビワの木も生えており、季節が来たら食卓を飾ってくれることだろう。 当然昆虫やミミズも、その気になれば取り放題だ。 ここは、森の中にあったとしたら、数十匹のゆっくりを余裕をもって支えることができる最上級の狩場であった。 それらが全て、この2匹だけのためのごはんだと言うのである。 「おにぃさぁん、ありがとぉぉぉおおおぉぉ。」 そんなある日、夕食の生ゴミを袋に入れて、裏庭のポリバケツに入れようとしたところ、 ゆっくり共が、よだれを滝の様にたらしながらこちらを見ていた。 ・・・・・・そういえば、今都会では『ゆっくりコンポスト』なるものがはやっていると聞く。 正直言って生ゴミを貯めこむのは嫌だし、こいつらでも使ってみるか。 「・・・食え。」 翌朝、袋の中身がきれいさっぱりなくなっていた。 袋に何かが入っていた形跡すら無い。よだれらしきものでベタベタではあるが。 「ゆっくちちたおやさいしゃんだったにぇっ!」 「おにーさんにありがとうってするんだよ。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「なるほど。こいつは便利だ。」 それからというもの、あの親子は毎日ポリバケツに放り込むはずだった生ゴミを、おやつだと大喜びで食べている。 生ゴミを放置しすぎて増えていたりぐるとかも減った。 生ゴミがなくなったからか、りぐるも食べているのか・・・ しばらくすると、いちいちこいつ等が『おうち』とやらにしている、庭の隅の木箱まで生ゴミを持っていくのもめんどくさくなってきた。 まずは縁側の下に少し穴を掘り、用済みとなったポリバケツを横倒しにしてはめ込む。 ポリバケツの内側に土をいくらか入れ、周囲の穴との隙間にも土を詰める。正面から見るとパッと見トンネルのような感じだ。 あとはあのゆっくり親子を中に放り込んで、自家製コンポストは完成。 「ゆわーい。きょきょはれいみゅたちのおうちなんだにぇ。」 「ゆっくりー!おにーさん、ありがとう!」 なんかぽいんぽいんと跳ねて喜んでいるが、台所からも食卓からも近いここが、 生ゴミを放り込むのに適していただけだ。 「ん、で、あと何が必要だ?」 「「ゆぅ?」」 なんといっても、使い道ができた以上、もはや野良猫と同等ではない。 金をかけてやるつもりはないが、それなりのメンテナンスはしてやろう。 コンポストとしてある程度長持ちしてくれなければ困るからだ。 「ゆ、ゆぅーん!れいむはみずあびができたらうれしいよ。きたないとゆっくりできないよ。それと・・・」 「それと?」 「おちびちゃんにも、ばっじさんがほしいよ!おちびちゃんもかいゆっくりのばっじさんがほしいよ。」 水浴びか。なるほど、こいつ等が饅頭のくせにカビないのは不思議だったが、やはり不潔にしておくのはよろしくないといったところか。 こっちとしても軒下にサッカーボール大のカビ饅頭があるのは気分が悪い。自分たちで清潔にしてもらおうか。 あとは・・・ん?おちびちゃん・・・にも? ・・・・・・妙に馴れ馴れしいのも合点がいった。まさか飼われているつもりだったとは。 まあ、使い道がある今となっては都合がよくもあったが。 「水は、そうだな。このタライに水を入れといてやる。勝手に使え。」 「ゆっくりー!」 「それと・・・バッジねぇ。ああ、あれでいいか。」 持ってきたのは、私が中学生時代に学生服につけていた、襟章だった。 鈍く銀色に光る襟章、どうせこいつ等がバッジとやらを活用する日は来ないのだから、これで十分だ。 リボンに乱暴にネジ式の襟章を突き刺して固定すると、赤色の中に鈍く光る銀色は、思いのほかしっくりときた。 「ゆわーい!ゆっくちちたばっじしゃんだー!」 「ゆぅぅ、よがっだねぇ、よがっだねぇぇえ、おぢびじゃぁぁああん。」 喜んでもらって何よりである。この調子で雑草むしりと生ゴミ処理を頑張ってもらいたいものだ。 翌日には、縁側下のコンポストの近くに「おといれ」と称してうんうん用の穴も掘っていた。 生活の場に排泄物を置いておくのはやはり嫌なのか。だが、これはこちらとしても都合がよかった。 このうんうんという排泄物については、定期的に土と雑草に混ぜて花壇の肥料にしている。 なかなか良質なようで、しかも採集の手間も要らないしありがたいものだ。 「ゆーん、おにーさん。おといれのおそうじしてくれてありがとう。」 「うんうんがなくなっちぇ、ゆっくちできりゅよ。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こうしてれいむ親子がコンポストとなった数日後、家の庭に最近ご無沙汰だった来客が来た。 「ねこさんだぁぁあああ!ゆっくりできないぃぃぃ!!」 「ゆぴぃぃ、おきゃあしゃんこわいよぉぉ!」 「ん、ああ、トラか。久しぶり。」 生垣の穴から庭に入ってきたのは、近所で気ままな野良生活を送っている猫だ。 こいつに限らず、我が家を通り道にする猫は多い。 「ゆぁぁぁぁ、おにーさぁぁん。ねこさんこわいよぉぉぉぉ。」 「ゆっくちさせちぇぇぇぇ。」 「・・・嫌なら自分でなんとかしろ。」 「「ゆぅぅぅ、ゆっくりできないよぉ。」」 別にサッカーボールサイズの良くわからん物体にじゃれつく様な、酔狂な猫達でもないが、 町生活でトラウマでもあるのか、度重なる猫の襲撃に、れいむ親子は自分達で何とかすることにしたようだ。 数日後から、徐々にだが、目に見えて生垣の穴がふさがり始めた。 「ゆーえす!ゆーえす!」 「おきゃーしゃん、はっぱしゃんもってきちゃよ。」 「じゃあおちびちゃん、このすきまにはっぱさんをおしこんでね。」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 生垣や塀の隙間に、小石を詰め、小枝を刺し、上から土を盛って、また葉っぱや枝を詰める。 近くで見るとやはり幼稚園児の工作の域を出るものではないが、遠目には生垣に溶け込んで見えなくも無い。 何重にもゴミを積み上げているので、強度のほうはちょっと蹴りを入れたくらいでは吹っ飛ばないくらいになっていた。 「これでねこさんはいってこれないね!」 「ゆっくちー。」 「にゅぁ~ん・・・ぐるるる。」 ・・・・・・。 「「どぼぢでねござんはいっでるのぉぉぉおお!?」」 「・・・塀の上からだろ。」 まあ一応は通りにくくなったので、特に頻繁にここに来る数匹以外は入ってくることも無くなり、 多少は平穏になったようだ。 それにしても、なんだか最近庭がきれいになってきた気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 生垣の穴がれいむによってあらかた埋まった数日後、 久しぶりに友人が家まで遊びに来た。 「ゆゆっ!?おにーさんのおともだち?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ。」 「おー、間知由。お前ゆっくり飼ってたんだな。エラい装飾過剰だけど。」 「いや、飼ってないし、あの唐草模様は来たときからだ。俺の趣味じゃない。」 「ふーん。つってもバッジついてんじゃん。」 「ありゃガムだ。」 「え゛・・・。」 「ああ、みかんの皮は庭のポリバケツに放り込んどいてくれ。」 「え?これってこいつらのおうちだろ?」 「いや。コンポスト。」 「んー。・・・え゛ぇ?」 「ゆわーい、おやつだにぇ!ゆっくちありがちょー。」 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー。」 ついでに、夕食の魚の骨も放り込んでおいた。 「ぽりっ、ぽりぽりぽり・・・ゆっくりー!」 「・・・・・ふーむ。」 「どうした?」 「いや。ゆっくりって、案外飼いやすい生き物なのだろうかと思ってな。」 「ただの饅頭だろ。・・・・・・何だよ、その目は。」 「まったく。世の中にはどんだけ愛情注いでも懐かれない奴もいるってのに。」 「そんなもんかね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして、庭が放置しっぱなしの幽霊屋敷状態から、見違えるようにきれいになった頃、 れいむ達の平穏な毎日に、突然不幸が舞い降りてきた。 「Zzzzzz・・・。」 「すーや、すーや。」 今日は日曜日。おにーさんも日当たりの良い縁側で昼寝中。 れいむ親子も庭に生えた木の木陰でゆっくりと惰眠をむさぼっていた。 そのとき庭に、普段と違う空気が漂う。 「うー。」 「ゆぅ?・・・すーや、すーや。」 「あまあまー。」 「ゆ・・・すーや、すーや。・・・・・・れみりゃだぁぁぁああああ!!!」 庭に突然飛来したのは、本来夜行性のれみりゃ(胴無し)。 庭のすぐ奥にある林は、昼でも薄暗く、たまに昼でも活動するれみりゃが現れたりする。 しかも、このあたりは農家だったこともあり、害ゆ対策として、れみりゃを大量飼育していた時期もあったので、 最近森の奥でしか見なくなったれみりゃ種もチラホラいたりするのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりにげるよ!」 「ゆあーん。れみりゃはゆっくちしちぇにぇ。」 ぽよん、ぽよん、と大急ぎでおうちに飛び込むれいむ親子。 れみりゃは追ってこなかった。どうやら助かったようである。 しかし、一つだけ気がかりがあった。 「ゆぅぅぅ、おきゃーしゃん、れみりゃはゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆ!おちびちゃん。ここはおにーさんがつくってくれたおうちだから、れみりゃなんてはいってこれないよ!」 「ゆっくちー。でみょ・・・。」 「おちびちゃん?」 「おにーしゃん、すーやすーやしてたよ?れみりゃにゆっくちひどいことされてにゃい?」 「ゆゆっ!?」 「そろーり!そろーり!」 おにーさんの無事を確かめるべくおうちから慎重に這い出るれいむ。 見つかったら命はないだけに、そろーりそろーりにも力が入る。 そして、れいむは驚愕の姿を目撃した。 「うー!うー!」 「Zzzzzz・・・・、じゃま・・・」 ・・・・・・れみりゃがおにーさんにじゃれていた。 「ゆぁぁぁああああ!おにーさんがたべられるぅぅぅううう!!!」 「うー?」 「やめてねっ!おにーさんをたべないでねっ!れみりゃはゆっくりどっかいってね!!」 ゆっくりしたおにーさんを助けるべく、れいむはれみりゃに立ち向かう。 しかし、口にくわえた木の枝をどれほど振り回しても、空を舞うれみりゃ相手には届かなかった。 「ゆぅ、ゆぅぅ、どうしてとどかないのぉぉ。」 「うー!あまあまー。がぶり。」 「ゆひぃぃぃぃ、れいむのあんこさんすわないでぇぇぇぇ・・・。」 「おきゃあしゃぁぁあん、ゆっくち、れみりゃはゆっくちしちぇぇぇぇ!」 「お、肉まん。」ぱさり。 「うー!うー!」 といったところで目が覚めたおにーさん。 玉網を使ってあっさりとれみりゃを捕獲したのであった。 それにしても、生ゴミを処理して肥料を作り、 庭の管理までやってくれた挙句、夕食のおかずをおびき寄せてくれるとは、 つくづく使いでのあるコンポストだ。 つい今さっきまでたっぷり飯を食っていたこの肉まん、中身がが詰まっていてうまそうだな。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇぇぇぇ。」 ザックザックザック 薄っぺらくなった方のれいむには、中身を詰めなおしてやることにする。 掘り出したのは、「おといれ」とやらになみなみと貯められた餡子。 こいつを、中身の減ったれいむの口からねじ込んでやることにした。 「ゆ゛っ、ゆぼぉっ!おにーざん、やべでぇ、ゆっぐぢでぎなっ!ゆぼっ!」 「おにーしゃん、やめてあげちぇにぇ!おきゃーしゃんがいやがっちぇるよ。」 無視。餡子は餡子だ。多少土が混ざっているが、中に詰めなおしてやれば問題ないだろう。 「ゆ゛っ、ゆっぐぢしていってね。ゆげぇ。」 「やっちゃー!おきゃーしゃん、げんきになっちゃよ。」 「ゆ、ゆぅぅ・・・おにーさん、ありがとぉ・・・。」 「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」 ふむ、消耗してはいるが、まだ当分は使えそうだ。 そして、その夜は多すぎて食べきれなかった肉まんの残りを、コンポストに放り込んでやった。 やはり一人暮らしにあのサイズは無茶な話だな。 「ゆわーい。きょうはごちそうだにぇ!」 「ゆーん。きっといっしょにれみりゃをやっつけたから、ごほうびなんだよ。」 「ゆっくち!ゆっくち!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そんな生活が、しばらく続いたが、 子れいむが成体にまで大きくなった頃、親れいむの方が死んだ。 あとで調べたが、町の野良の寿命は平均一年かどうかと、大分短いらしい。 我が家に来た時には中古のポンコツだったということか。 「お・・・おにーさん。おちびちゃんを、・・・これからもゆっくりさせてあげてね。」 「特になにも変らんよ。」 「おちびちゃん、・・・ゆっくりしていってね・・・・・・」 「おかーしゃん、おきゃあしゃぁぁぁあああん!!!すーりすーりしてね、ぺーろぺーろしてねぇぇえええ!!!」 リボンは子れいむの方が欲しがったのでくれてやり、死体のほうはぐちゃぐちゃにすり潰して肥料にした。 花壇の花も元気に育つことだろう。 「おかーさん。おはなさんになったんだね。」 「まあそうとも言えるな。」 「ゆっくりしていってね。おかーさん。」 まあ、そんなことはどうでも良かったのだが、少し問題が生じてきた。 コンポストの、生ごみ処理能力が落ちてしまったのだ。 「ゆぅぅ~。さびしいよぉ。」 「おちびちゃんがほしいよぉ。」 「すーりすーりしたいよぉ。」 どうも孤独な生活と発情期が重なって、ノイローゼ状態になったらしい。 頭数が減ったうえ、どうにも食欲が無い。庭の雑草もまた伸び始めてきた。 これは、新しいゆっくりを取ってくる必要がありそうだな。 その日、夕食の生ゴミをコンポストに放り込みながら、 れいむにつがいを探してやる、と言った時のれいむの喜びようは大変なものだった。 体が溶ける寸前まで水浴びをして、リボンのしわ一つ一つまで丹念にあんよでつぶして伸ばしていく。 コンポスト内の清掃も丹念に行い、 さらに子供が出来た後のために、花やイモ虫、果物の皮などのごちそうから保存食の干し草まで貯めこむ。 にんっしん中のベッドまで葉っぱと草を使って作り終えて、準備万端でその日を迎えた。 約束の日、私はれいむを連れて街を歩き、れいむ的に「すっごくゆっくりしてる」まりさを手に入れた。 この白黒饅頭、帽子にアイロンをかけた形跡もわずかにあり、恐らくバッジを引きちぎったのであろう傷痕も見られる。 飼われていたというなら、それなりの躾もされているのだろう。好都合だ。 「ゆふん!そんなにまりさをかいたかったら、かわせてやってもいいのぜ。」 「ゆっくり!まりさ、ずっとゆっくりしようね!」 「ゆん!なかなかゆっくりしたれいむだから、とくべつにすっきりしてやってもいいのぜ。」 本人も乗り気のようだから都合よい。つがいにしてやることにして、家に連れていった。 「ゆぅ~ん、まりさ。すーり、すーり。」 「ゆへぇぇ!いいからとっととまむまむをむけるのぜぇ!『ぼよぉぉおん!』」 「『ごろんっ』ゆぅ!?もっとゆっくりしてぇ!」 「しったこっちゃないのぜ!まりさのぺにぺにをおみまいしてやるのぜぇ!!」 ずぼぉっ!ずっぽずっぽずっぽずっぽ・・・ 「ゆぁーん、いだいぃぃぃい!らんぼうすぎるよぉ。もっと、ゆっぐりぃ!」 「ゆっふっ!ゆっゆっゆっゆっゆっゆっすっきりぃぃぃいいい!」 「ずっぎりぃぃ。」 とりあえずれいむの腹が膨れてきたので、予定どおりにいったようだ。 「ひどいよまりさ・・・」 「ゆふぅ。ひとしごとおわっておなかがすいたのぜ。にんげんさん、とっととごはんをもってくるんだぜ!」 「その辺のを適当に食え。」 「ゆゆ!?なにいってるのぜ。ゆっくりふーどさんなんて、どこにもないのぜ。」 「草があるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇぇ!くささんはごはんじゃないのぜ! ふーどさんがないならけーきさんでもいいのぜ!はやくもってくるのぜ、くそじじぃ!」 「ゆぅ。なにいってるの?おにーさんにあやまってね。くささんはおいしいよ。むーしゃむーしゃ。」 「ゆぎぃぃぃいい!もういいのぜ!はやくおうちにいれるのぜ!べっどですーやすーやするのぜ!」 「そこに家ならあるだろ。」 「な・・・なにいってるのぜぇ!これはごみばこさんなのぜ!くさくてきたないのぜ!」 「ひ、ひどいよまりさ!おにーさんがれいむにくれた、ゆっくりできるおうちだよ! それに、れいむがいっしょうけんめいおそうじしたんだよ!ゆっくりあやまってね!」 「・・・いいよ別に。文句があるなら勝手に出ていけば。」 「ゆふん!まったく、ばかなじじぃとゆっくりしてないごみれいむのほうが、このおうちからでていくのぜ! ゆっくりしたまりささまが、とくべつにこのおうちをつかってやるのぜ!」 「ふーん・・・。れいむ、どうやら一緒に暮らすのは無理そうだが。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできないまりさだよぉ。」 とりあえず、私が家から追い出されるのは嫌なので、ゆっくりしたまりささまとやらは、門から丁重に出て行ってもらった。 あれだけ態度がでかいと、野良をやっていくのも大変だろうに、大したものだ。 しかし、ゆっくりと言っても、コンポスト向きのとそうでないのがいるのかもしれない。 黒帽子がダメなのか、飼われていたのがダメなのか、まあ、どうでもいいことだ。 れいむの腹にいるちび共の中に黒帽子がいたら、それもはっきりするだろう。 つがいこそいなくなったものの、孤独を埋めるという当初の目的は達成されたようである。 それから数匹分の食欲を発揮し始めたれいむは、3週間後、無事れいむ種一匹とまりさ種一匹を出産した。 赤ゆっくりが腹から射出される勢いには驚いたが、庭は柔らかい芝生であったのが幸いしたのか、 せっかくれいむが作っていた草のクッションから1m以上離れて着地したものの、つぶれることはなかった。 「「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!!」」 「ゆっくりしていってね!ゆぅーん、ぺーろぺーろ、おちびちゃんたちかわいいよぉ。」 これで、コンポストの方は今後も安泰そうだ。 母れいむがチビ共にもバッジが欲しいとか言ってきたので、画鋲のカサの部分をセメダインでくっつけておく。金バッジだ。 これで満足して生ゴミを処理してくれるのだから、安上がりなものだ。 ちなみに、ゆっくりしたまりささまに出て行ってもらってから二日後、門の前にみすぼらしく、 帽子もかぶっていないまりさ種が一匹転がっていた。 「やっばりがっでぐだざぃぃ・・・おねがいじばずぅ。」 とか言っていたが、ゆっくりを飼う趣味などないので、無視しておいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それからしばらくは、コンポストとしても庭の芝生管理としても特に問題はなかった。 ピンポン玉サイズの子供たちでは、成体一匹分の処理能力を補えるかと、多少不安ではあったが、 どうやら、成長中のチビ共の方が食欲は旺盛らしく、生ゴミは毎日順調に処理され、肥料になっていった。 黒帽子の方も特に文句を言わず、生ゴミをムシャムシャ食らい、庭をぽよんぽよんと跳ねまわっている。 やはりあの態度は、育ちが問題だったようだ。 だが、赤ゆっくり達が産まれてから一月ほどたち、そろそろ冬の近づきを肌で感じ始めた頃、 またしてもコンポストの性能が低下してきた。 朝、コンポストの中をのぞいてみると、まだ昨日の生ゴミが残っている。 さらにその奥では、歯をガチガチと鳴らしながら、目の下にクマをつくったれいむ一家がいた。 「お、おおお、おにーさん、おうちがさむいよぉぉぉ・・。ねむれないよぉぉ・・。」 「しゃむくてゆっくちできにゃいぃぃぃ。」 「ごはんしゃんつめちゃいよ。むーちゃ、むーちゃ、しょれなりー。」 コンポストはれいむ達なりにきっちり入口を塞いでいるが、やはり所詮はポリバケツ。 まだ昼間は温かいが、壁一枚隔てた向こうの、夜の寒気を完全に防ぐことはできないようだ。 この時期でこれでは、冬の間はコンポストの機能が完全に停止しかねない。 家に入れるという選択肢はもちろんないが、 本格的にコンポストの改造を行う必要がありそうだ。 その日の昼、れいむ一家に『たからもの』とか言う小石や押し花や、ガムの付いたリボンらしきゴミをコンポストから出させると、 大規模な改装に取り掛かった。 まずは、ポリバケツを掘り出して、横倒しにすると天井になる、壁の一部を四角く切り抜く。 それに、ちょうつがいと留め金をつけて、外から開けるようにした。 ゆっくりは、冬には巣の入り口を密閉するらしいので、生ゴミの投入口をつけてやったわけだ。 次にバケツの入口、つまりゆっくりの出入り口だが、せいぜい直径30cm程度のゆっくりに対しては大きすぎる。 壊れたすのこを材料にして、ドーナツ状の板をつくり、バケツの口に取り付けてやった。 これでゆっくりの出入り口は、必要最低限の大きさになり、 木の枝などで塞ぐ手間も、寒気の吹き込む隙間もぐっと減るはずだ。 あとは、再び縁側の下にポリバケツを埋めなおし、これまではむき出しだった側面にまで土をこんもりと盛っておく。 外から見ると、生ゴミの投入口と、ゆっくりの出入り口だけ穴のあいた、砂場の砂山のような外観となる。 縁側の下なので、雨風で盛り上げた土が崩れる心配は無い。 地下は冬でも暖かいというので、これで断熱は十分だろう。 数十分の作業中、庭で遊ばせていたれいむ一家を呼び寄せた時の反応は、 以前コンポストを、はじめてつくった時以上のものであった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆわぁぁぁぁああい!すっごくゆっくりしたおうちだよぉぉおおお!」 「ゆっくち!ゆっくちー!れいみゅたち、こんなゆっくちしたおうちにしゅんでいいにょ!?」 「ゆわーい!なかもあっちゃかいよー!ゆっくちー!」 「ふーい、疲れた。あとはこいつでも中に敷いとけ。」 「ゆぅぅぅぅうう!しゅごーい!ゆっくちちたおふとんしゃんだー!」 「おにぃさん、ありがと、う、ゆぇぇぇええん!」 「おきゃーしゃん、ないちぇるにょ?どっかいちゃいにょ?ゆっくちしちぇにぇ。」 「おちびちゃぁぁあん!れいむはうれしくってないてるんだよぉ。ゆっくりー、ゆっくりー!」 近所の農家から頂いてきた干し藁をひと束くれてやっただけだが。 とりあえず、この反応からして、今後はまたコンポストとして元気にやってくれそうだ。 こちらはやることやったので、あとのメンテはこいつ等がかってにやってくれればいい。 かつて母れいむと一緒に野良生活を送っていた頃、れいむには夢があった。 温かくて、雨の心配も、風の恐怖も感じないですむおうち。 毎日お腹いっぱい食べられるだけのごはん。 しかも、そのごはんを手に入れるために、命の危険など感じずにすむゆっくりプレイス。 外敵の心配もないそのゆっくりプレイスで、 ゆっくりしたおちびちゃん達とすーりすーりしたり、のーびのーびしたり、 おうたをうたったり、水浴びですっきりーしながら、毎日ひたすらゆっくりする。 夜になったら、ゆっくりしたおうちに帰り、ふかふかのおふとんの中で、 家族で肌を寄せ合ってすーやすーやする。 たまにはあまあまが食べられたら言うことはない。 これが、れいむのかつて夢見たすべてであった。 そして、今、この場所には、れいむが望んだもの全てがあった。 全てのゆっくりが追い求め、そして見つけることの出来なかった場所、ゆっくりプレイス。 だが、れいむにとってのそれは、人間さんがコンポスト、と呼ぶこの場所に、確かに存在していたのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくりー!」 「すーり、すーり、しあわせー。」 「すーり、すーり、・・・ゆっ、ゆっ、ゆっ」 「ゆふぅん、だめだよまりさぁ。ゆふぅ、ゆふぅーん!」 れいむ親子が初めて我が家のコンポストとなって2年。 結局外部から新たなゆっくりを連れてくる必要はなくなった。 こいつらは、家族以外のゆっくりがいないとなると、姉妹同士でつがいを作り続け、今はすでに4世代目である。 今はこれまた姉妹である、れいむとまりさのつがいがコンポストとして活躍している。 それと、最近は花壇の世話もめんどくさくなったので、街でゲッソリしていたゆうか種も一匹拾って庭に住まわせている。 最初はコンポストの連中が花を勝手に食う、食わないでもめた時期もあったが、 群れでもない以上大した量を食われることもなく、しかも花の肥料がコンポスト産だということもあり、 それなりの折り合いをつけることで落ち着いている。 「「すっきりー!」」 などと思っているところで、また増えるつもりのようだ。 れいむの頭ににょきにょきと生えたツタには赤れいむが3に赤まりさが2。 まあ、構わない。どうせ代替わりが激しいゆっくりである。 うっかり病死などしないうちに子供を作ってもらわなければ余計な手間だ。 それに増えすぎるようなら何個か潰して肥料にするだけ。 庭もすっかり華やかになって、もう幽霊屋敷の頃の面影は残っていない。 「おはよーございます。」 「ああ、農場の。おはよう。」 最近ついにこの辺も、のうかりん農場化が進み始めた。 生垣の向こうから挨拶してきたのうかりんも、そこの従業員である。 「とってもゆっくりした庭ですね。きれい。」 「まあ、ゆうかが一匹でやってるんだがね。」 「うふふ。それは失礼しました。でも、それ以上に・・・あなたの飼われているゆっくり達。」 「?」 「とってもゆっくりしてますね。今までたくさん飼いゆっくりを見ましたけど、一番ゆっくりしてますよ。」 「ふーん。そんなもんかね。」 同じゆっくりである、あののうかりんが言っているなら正しいのだろう。 よくわからんが、この2年間で一つだけ確信したことがある。 こいつらには、コンポストという仕事が向いている、ということだ。 リクのあったゴミ処理場ネタは今度また書きます。 それにしても自分のSS製作ペースがそれほど落ちたわけではないのに、 いつの間にか餡小話のそうとう下に追いやられてたり。 SS増加ペース早っ。 とりあえず、シリーズものについてはそろそろなんか書きます。 町れいむ、レイパー、計画中のペットショップシリーズ リクの消化もまだおわってないなぁ。 挿絵 by街中あき 挿絵 by??? 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 プラス本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る れいむが死んでるじゃねえか!(老衰でゆっくり大往生) -- 2017-12-22 22 36 05 増えすぎた結果お兄さんに赤ゆっくりを潰されてしまい、怒って家族で家出をするも環境についていけなくて しばらくして戻ってきたら別のゆっくりたちがコンポストとして生活してて結局野良ゆっくりとして生きる展開ありそう -- 2017-05-23 20 19 48 クソまりさの存在以外はぽかぽかや唐草模様は何何の実だ? -- 2016-09-01 18 41 18 心が洗われる作品でした、 短編集みたいで、 ゆっくり読めました。 -- 2015-01-15 12 01 21 なんといういい話・・・ぽかぽかする -- 2014-06-05 17 15 44 かんどー♪ -- 2014-05-30 19 48 40 謙虚なゆっくりれいむだったから生き残れたんだろうな。 必要以上の高望みをしなければいいということか。 -- 2014-03-27 13 29 47 あのまりさ(成体)はやっぱり生き残れなかったのかな(まあ、あんなゲスゆっくりなんてどうでもいいけどね!)。 -- 2013-07-29 12 24 18 ゴムゴムの実w -- 2013-07-06 03 16 12 ひさびさにいい話だ 環境にも優しいなんて…あー、コンポスト欲しくなってきた -- 2013-04-28 23 58 18 るーるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるr -- 2013-03-28 11 42 02 良い話だ、ゆっくりにも何かしらの利用価値があるんだなペット以外に -- 2013-01-19 13 13 05 ゆっくりできすぎててんごくいきそうだよ! -- 2012-10-13 21 44 04 ゆっくりできるいい話だ 唐草模様のゆっくりが悪魔の実に見えるwww -- 2012-09-12 18 24 08 あっさり死んでいった先代たちを通して読むと、感慨深いものがあるな。 いいよね。死の危険が少なくて。 -- 2012-08-19 21 38 21 家にある生態系の循環にゆっくりが組み込まれた 理想の形だなぁ、ご時勢に合ったエコだし。 さらに家庭菜園も被害なく出来たら完璧だな! 唐草レイムは・・・まぁなんだ、プププwwwwww -- 2012-08-11 02 35 24 ゆっくりできる話ですね。 でも、唐草模様きめぇww -- 2012-07-30 16 58 41 今までSSでみたゆっくりまともランキングTOP10には入る -- 2012-07-08 19 10 57 唐草模様きめぇwwwww -- 2012-05-22 09 04 25 高望みせずに、限られた環境で満足できるのも、生存競争には必要な能力だね。 ペットって結局どこまでいっても別の生き物なんだし完全にわかりあうことなんてできない。 だから必要な程度以上は干渉しない、構い過ぎないことが必須なんだと思う。 それはそうと最後の唐草模様きめぇ 噴いた(笑) -- 2012-04-10 21 17 44
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ゆっくりつくーる 3KB パロディ 小ネタ 現代 独自設定 突発的に書いたので穴だらけです・・・すみません ・6回目 ・希少種 ・かっぱっぱーかっぱっぱーにーとりー ・虐めません。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス スーパーのお菓子売り場で、新発売の『ゆっくりつくーる』があったので買ってきた。 パッケージには、ゆっくりにとりの顔があり、ギザギサの吹き出しに『ゆっくりつくっていってね!!!』と定型文を微妙にアレンジした文字が書いてある。 裏面の説明を見てみると、ステップ1から3までがカラフルに説明されている。 これを元に、作れということらしい。 ・ステップ1 まず、五つある容器のうち、ガムシロップの容器に似たものがあるので、そこに水を線まで入れる。 そこに添付の、黄緑の粉末を入れ、スプーンか何かで掻き混ぜるらしい。割り箸で良い具合に混ざってくると、ソーダの混じったメロンシャーベットに似た何かになった。 それを全体的に丸い二つの容器へ流し込む。 一回、ガムシロ容器を洗う。 そして今度は、光沢のある水色の粉末を入れ、水を線まで入れる。先程と同じく掻き混ぜると、今度は水飴のようになった。 続いて、野球帽をだらしなくしたような形をした黄緑のグミが入っていて、その下部に細い溝が幾重もある容器の細い溝に水色の水飴を薄く引き伸ばしながら、二つある容器に均一に注ぐ。 ここまでがステップ1。 絵だと、子供向けでにとりの一言アドバイスでもっと簡単に書いてあるが、大人が理解出来る文にするとなるとなかなか大変である。 ・ステップ2 四つの容器に、液体を入れたことを確認したら。零さないよう慎重に容器を冷蔵庫の中へ入れ、十五分冷やす。 十分後。それぞれの容器の中の液体は程よく固まるので、鯛焼きの要領で重ね合わせ(こうすることで、容器の内側に敷いてあるグミの膜が上下を接合する)、更に二十分冷やす。 二十分後、冷蔵庫から取り出し常温で一時間置いておく。 これでステップ2が終わりである。 三つで足りる一言アドバイスを文章にしたらこれだけ書かねばならない。つくづく、絵は文章よりも情報量を膨大かつ瞬時に得られるものだと実感する。 ・ステップ3 容器を開いて中身を出す。 既に、にとりのような形をしているけれどこれから各パーツをドッキングせねばならない。 まずは、グミの皮膚に包まる肌色の本体を取り出し、袋から目玉であるスカッシュグミを取り出し窪みに一つずつ入れる。 続いて、帽子上のグミと、固まって髪のようになった水飴を取り出し、にとりの頭へ添える。 後は、軽く各部を押して調えれば。 ゆっくりつくーる『にとり』の完成である。 ゆっくり特有の掛け声を言えば、にとりは動き出す。 彼女は、食玩である自分のゆん生を精一杯生きることだろう。 さて、ではいただきます。 「ゆっくりしていってね」 おまけ 『ゆっくりつくーるCM』 (ドアップでれいむとまりさが映し出される) これはれいむ? これはまりさ? どうせ、お饅頭でしょ! (二人の子役が美味しそうに手の平サイズのれいむとまりさを頬張る) え!? グミなの? 作り方は、簡単! 練って注いで冷やすだけ! (ステップ1.2.3がさっと流れる) ゆっくりつくーる。スーパーのお菓子売り場にあるよ! (れいむ。まりさ。ちぇん。みょん。ありす。れみりゃが並んだシーン) ゆっくりつくっていってね!!! (にとりのカットインが入り) にとり新発売! アトガキ 餡子ちゃん一周年おめでとうございます。最初は餡子ちゃんへのプレゼントってことで自分で作るゆっくりSSをーってことでしたが。 どうしてこうなった。 元ネタは、ゼラチンとジュース混ぜて虫のグミ作るグミックス(GUMMIX)ってお菓子です。ゆっくりが喜びそうなお菓子です。 ソーダなメロンシャーベットですが、本人がにとり→ニトロと呼ばれるらしいのでそれっぽいやつにしました。 粉末はゆっくりの餡を乾燥粉末にさせたものなので、なんでもありのゆっくりだから形さえ調えばザオリクるんだろうと思いました。 グミも最初は、耐水性があるんじゃないかなと思ったけどグミで出来たゆっくりで良いかなぁ・・と。 えーと、この場をお借りしまして。 ディスクトップまりさを書いた方、ありがとうございます。楽しく読ませていただきました。 自分のようなアレなSSと比べて段違いに発想力豊かでもう、恥ずかしいです・・・。自分も欲しいです。卓上ゆっくり。主にやまめを。 並びに、ふたばスレでデスクトップガジェットの画像を作ってくださった方ありがとうございます。自分の想像以上のものでした。 きっと自分のパソ子さんじゃ、ブルースクリーン必至ですあはは・・・。 ご読了ありがとうございました。 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット ・ふたば系ゆっくりいじめ 1018 ゆっくりつくーる どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゆっくりを簡単に作れるじゃねーかww 加工所の技術SUGEEEEEEE -- 2014-09-18 00 19 31
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※俺設定注意 ※ゲスの癖に意外と賢いやつが出ます ※れいむがゲスのいうことを聞きます ※饅頭に接着剤や両面テープを使います 「ゆっくりべんじゃー」 「・・・れいむ・・・」 お兄さんが声を掛ける。 「ゆ?」 「本当に・・・いいんだな・・・」 「ゆ・・・かくごはきめているよ。」 「二度と戻れないかもしれないぞ」 「いいよ・・・」 「あのげすたちにせいさいをしなきゃ・・・」 れいむは覚悟を決めていた。 死んだまりさの大切な宝物を壊し。 二人きりで作った3匹の子供を殺した。 すべてがあの2匹のゲスによって奪われたのだ。 仕返しがしたい。 すべては数時間前にさかのぼる。 ~森の中、あるゆっくりの住処の中~ 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!ほんとうにばかなやつなのだぜえ!」 「ほんと!ぶようじんででていくなんていなかもののすることね!」 ゆーっひゃっひゃっひゃっひゃ! そんな下品な笑い声が木霊する。 このゆっくりまりさとありすはゲスで、偶然にも見つけた家のカモフラージュが完璧ではないため、あっという間にカモフラージュがはがされてしまった。 (そのカモフラージュが葉っぱや土と石しか使っていない超不自然すぎるのが理由) 「ほんと、ここのおうちはどいなかね!たべものもくささんとむしさんぐらいしかないわ!」 「ゆっ?でもくずがすまうにはもってこいのおうちだぜ?」 「「ゲラゲラゲラゲラゲラ!!」」 また不快な笑い声を上げるゲス2匹。 すると 「ゆっ?まりさ!?れいむのおうちでなにしてるの!?」 「なにって・・・まりささまはつかれたからゆっくりしてるだけなのぜ?」 「とかいはのありすがゆっくりしてなにがわるいの!?いなかものはさっさとでていきなさい!」 「ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりしないででていってね!」 「ゆっ?こんなくずのいるいえにいても、なんのとくにもならないのぜ? だから・・・」 びりり・・・ と、すぐそばにあった帽子をありすと一緒に破り捨てた。 「これでまんぞくなのだぜ。」 「なにをするのおおおおおお!!!まりざのおぼうじざんがああああああああ!!!」 「ゆぅぅぅ・・・おかあさぁん こわいよぉ・・・」 「はやきゅおうちでゆっきゅりちたいよぉ・・・」 とれいむに子供は抱きよる。 するとゲスありすは小声でゲスまりさに話しかけた。 「ねえ・・・まりさ・・・ あのまりさとすっきりーしてもいいかしら?」 「ゆぅっ!? うわきはゆるさないのぜ!」 「だいじょうぶよぉ・・・ あいつにとかいはなあいをあたえて、えいえんにゆっくりさせてやるの・・・」 「ゆ・・・なるほど・・・ わかったのぜ・・・」 「ありがと、まりさ・・・」 とゲスありすは微笑むと。 「かわいいわああああああああ!!まりさああああああああああああ!!すっきりしましょうねええええええええええ!!」 「ゆ!あのありす、レイパーだったよ!おちびちゃんたち!ゆっくりしないでにげてええええええ!!」 「ゆっくりにげr・・・ゆわぁっ!」 子まりさが逃げ始めるが、逃げ出したとたんに捕まった。 「にがさないわよおおおおおおおお!!!! とかいはなあいをうけとってねえええええええええええええ!!」 「やだああああああああああ!!」 「おにぇちゃあああああああん!」 「おにぇちゃんをはなしてえええええ!」 とゲスありすと子まりさによる公開レイプが始まった。 「おかあさあああああああああんん!!たすけてぇええええええええええええ!!!」 「ゆっ!いまたすけにいくよ!まっててね!!」 「ゆっ!!そうはさせないのぜ!」 とまりさが赤ゆっくりたちを捕らえる。 「それいじょうじゃまするとこいつらのいのちはほしょうできないのぜ!」 「ゆっ!あかちゃん!」 とれいむが赤にゆっくりに呼びかける。 「おきゃーしゃーん!」 「たすけてええええええ!」 助けて助けてと喚くばかり。 どうしたらよいものかと考えてたら 公開レイプも終わりを告げようとしていた。 「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!イクわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!」 「やめてええええええええええええ!!」 しかし子まりさはレイパーに逆らうことができずに 「「すっきりー!!」」 してしまった。 そして、ゲスありすの肌には更につやがかかる。 一方の子まりさはまだ成長が未発達、ゆえに栄養失調により黒い塊となってしまった。 しかしありすはまだ興奮している。 「ゆふぅー、ゆふぅー、まだたりないわぁ・・・。もっと、とかいはなあいをわけあたえないと・・・」 「おちつくのぜありす・・・」 とゲスまりさはゲスありすをなだめる。 「ゆふぅー・・・ゆふぅー・・・はっ!」 するとありすがわれに戻る。 「ありすったらまたこんなことを!ゆるしてねえ、れいむ♪」 「ゆるせるわけないでしょおおおおおおおお!!!」 と、れいむは怒りの声を上げる。 「はやくおうちからでていけえええええええええええええええ!!!!」 「ゆ!れいむ!!だまらないとこいつらは・・・」 とまりさは赤ゆっくりに体当たりを食らわせる。 「ゆぺぇっ!」 と赤ゆっくりは微量だが餡子をはく。 「や・・・やめてぇ・・・」 「ゆ~そうだぜ!れいむ! まりささまのいうことにしたがえばゆるしてやるのぜ!」 「ゆ!?それほんとう!!」 「ほんとうなのだぜ。」 「や・・・やったああああああああ!!!」 これでゆっくりできる!そんな甘いことを考えていたれいむだった。 れいむは冷静になり。 「じゃあ、なにをすればいいの?」 と聞くとゲスまりさは 「れいむはおやさいさんをしっているのかぜ?」 「ゆ・・・しってるよ。 とてもゆっくりできるってきいたことがあるよ。」 「わかっているならはなしははやいのぜ。 さっそく れいむにはおやさいさんのあるのぷれいすまであんないしてほしいのぜ。」 れいむの家からは人里がよく見える。 だからここから降りれば畑まで一直線というものだった。 「ゆっ!!そんなことできるわけないでしょおおおお!!!」 人の怖さはよく身に染みている。 近づけば殺されてしまうだろう。 かつての親も人里に降り、人間に殺されたのだ。 でも今の状況は理解している。 「やらなきゃ・・・」 とゲスは行った後子供に踏みつぶそうとしている。 「やりまずぅぅぅぅぅううう!」 子供の安全を確保するためだ仕方あるまいとれいむは思った後 「こっちだよついてきてね・・・」 「ゆん、わかったのぜ。のろのろしないでとっととすすむのぜ!」 とゲスが畑に着くまで文句を言いまくっていた。 しばらくした後、畑についた。 ついた後、まりさが一息つくと 「ゆぅ~、つかれたのぜえ~ おい、あまあまをもってこ・・・いや、やっぱいいのぜ。すぐそばにあったのぜ。」と子れいむを取り出す。 「おきゃーしゃーn・・・」 これが最後の言葉であった。 なんとゲスまりさは子れいむを食べた。 「あ・・・あ゛あ・・・」 「おしゃれなおぼうしさんもほしいのぜ!」 と人質だった子まりさを帽子を取り上げた後、 「助け・・・」 と踏み潰す。 帽子をかぶったゲスは 「ゆぅ~ん。にあうのぜ。」 と自画自賛をする。 当然れいむは。 「ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 驚きを隠しきれない顔をし、絶叫する。 なぜなら目の前で子供があっという間に殺されたからだ。 「おい!お前ら!なにやってる!」 すると不意に人の声がした。 「ゆげっ!まずいのぜ!にげるのぜ!」 と(偶然にも)近くにいたありすのすぃーを奪い、逃げていった。 「なにをするのいなかものおおおお!」 とありすが追いかけ道路に飛び出す。 「ちょ、おま。危な・・・」 といいかけたとたんありすは通り過ぎた車のタイヤに巻き込まれ死亡した。 「あーあ、ちゃんと左右を確認しないから・・・っとその前に」 とお兄さんは黒い塊の前で泣き続けるれいむを見つめ言い出した。 「おい、何をやっている。」 「ゆっ゛・・・ぐっ゛・・・ぐすっ」 「おいっ!!」 「ゆひゃあっ!!おにいさんごめんなさい!おにいさんごめんなさい!」 とれいむは驚き、飛び跳ね、謝り続ける。 「おちつけおちつけ・・・ところで何があった?」 「ゆ・・・」 「話しにくいならお兄さんところへおいで。」 と、言い出した。 「ゆ・・・ありがとう・・・」 といい、れいむはお兄さんの手のひらに乗り、家まで案内してもらった。 家についた後 「で?何があったんだ?話してみろ。」 「ゆ・・・おにいさん・・・じつはね・・・」 (ここから先のゆっくり説明がめんどいので略します。) 「ふぅむ・・・なんてゲスなやつらだ。で?どこに言ったんだ?あいつ。」 「ゆ、あの坂を登って一直線に進むと見えるよ。」 「ふーん、で、れいむはどうしたいと。」 「ふくしゅうをしたいよ!あのゲスたちにせいさいをしたいよ!」 「そうか、じゃあ、こっちにきてくれるかな。」 「ゆっ、ゆっくりりかいしたよ。」 れいむがお兄さんに連れられ地下室に向かう。 そして、現在。 「ようし、はじめるか。いくぞー。」 「ゆっ、わかったよ。」 といった後お兄さんはゆっくりサイズのベルトを用意した。もともとは俺の飼いゆっくりのものだったのだが。 しかし、サイズがなかなか合わない。 「うーん、切るわけにはいかないしなぁ・・・ お、そうだ。 すまないが、れいむ。少し痛くなるが、我慢できるか?」 「ゆぅ・・・りべんじのためだよ!ここであきらめちゃ こどもたちにわらわれちゃうよ! だからつづけてね!」 とれいむはいう。 「しかし、二度と取れなくなるぞ?いいのか?」 と問いかけるが 「ゆ!かまわないよ!」 と返事を返す。 「わかった。じゃあ・・・行くぞ!」 と接着剤のついたベルトをくっつける。 その後、針に両面テープと接着剤をつけ、針の平らな部分をベルトの裏側にくっつける。 その後痛み止めとしてオレンジジュースを掛けた。この作業の繰り返しで針付きベルトのれいむが完成するという工程だ。 「よし、終了。大丈夫か?」 「ゆっ、だいじょうぶだよ。ありがとう。」 れいむは起き上がろうとするが 「おっと、まだ起きないほうがいい、まだもう少し寝ておけ。接着がはがれるぞ、あとテープで補強しておく。」 「ゆ、わかったよ、ありがとう。」 1日後、接着剤が乾燥したことを見抜いたお兄さんは外へ出す。 「よし、いいだろう、きめぇ丸の話によるとやつらはまだお前の家にいるようだしな。」 「ゆ!わかったよ!おにいさん!いままでありがとう!」 とれいむはぽよんぽよんとはねて 家のあるところへ向かう。 一方れいむの家ではゲスが野菜確保のための本拠地としていた。 「ゆっへっへ、ここならおやさいさんがいっぱいてにはいるのぜ!」 ゲスまりさはこっそりと野菜を手に入れ。すぃーで運び、貪り食っていた。 ありすは子供などを捕まえてレイプしたり食いちぎっていった。 今じゃ近づくゆっくりはほとんどいない、今じゃまりさたちが無敵!そんなことを考えていたゲスだったが。その勢いもすぐに終わりを告げようとしていた。 坂から一匹のれいむが現れた。 するとれいむは家の前に立つと 「まりさ!ありす!でてきてね!」 誰かが呼んでいる、誰だ? いまからありすとゆっくりしようとおもっていたのに・・・ 早く追い出して続きをしよう。そう思ったまりさは家から飛び出した。 「だれなのぜ!・・・ゆっ゛!」 なぜ追い出したれいむがここにいる!? しかもあの体はいったい!? そう思っていたら、れいむが口を開いた。 「でてきたね!まりさ!いまこそけっちゃくをつけるよ!」 「ゆっ゛!きもちわるいれいむはとっととしんでいくのぜ!」 とれいむに体当たりを仕掛けるまりさだがするとベルトにくっついていた、針に刺さった。 「ゆぎゃあああああああああ!いだいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「おちびちゃんのかたきいいいい!! かくごおおおおおおおおおおお!!」 と受けから攻めに変える。 体当たりを開始する。 ドスドスと、抜いては刺す、抜いては刺すの繰り返し。 何度も何度も違うところをドスドスとさし続ける。 刺したところからじわじわと餡子が沸いて出る。 「あんこさああああああああああああん!!ゆっくりしていくのぜえええええええ!!」 「ゆっくりしねえええええええええ!!」 「ゆ・・・ゆ・・・」 「うるさいわよおおお、まりさああああああ!!ゆっくりできないでしょおおおおおおおおおお!!」 「ありすうううううう!まりさのかたきいぃ!」 「ゆ!あのときのれいむ!なんでここにいるのおおおおおおおお!!」 「ありすうううううううう!!たすけてええええええええ!!!」 「まっ・・・まりs」 「ありすううううううう!!ころしてやるうううううう!!」 ありすへの殺してやるという声と助けての声を放つ二匹。 しかしこんな会話を続けているうちにまりさの意識も薄れ掛けていく。 「ゆ゛・・・ゆ゛・・・っ」 と最後の餡子を吐きあっという間に死んでしまった。 「まりさあああああああああああ!!!」 そして、ものをいわなくなった、まりさから針を抜き、視線をありすに向ける。 「ゆっ゛!」 と奪ったすぃーで逃げ出そうとするがしかし、乗る前に刺されてしまった。 「ゆひいっ!」 「にがさないよ・・・」 「たすけてぇ・・・ あとでとかいはなあいをわけてあげるからゆるしてえ・・・」 「ありすもそういってまりさをレイプして殺した・・・ ゆるさないよ。」 「やめてぇ・・・」 とれいむは軽くジャンプしてはベルトに引っ付いた針を上に上げる。 するとありすの体が真っ二つに切れた。 「ゆべえ゛っ!!」 その後ありすはすぐに死んでしまった。 相当の致命傷のようだ。 その後れいむは空を見上げ行った。 「ゆ・・・ゆふふふ・・・・ゆふふふふふふ おちびちゃん。かたきはとったよ、だからゆっくりしていってね。」 これで復讐は果たせた。 これでよかったのだ。 帰ったら何をしてゆっくりすごそう。 「ゆふふふふ・・・ゆふふふふ・・・」 という不適な笑い声を上げ森の奥へと去っていった。自分の帰るべき家とは反対方向に。 その後、そのれいむはよるまで笑い続け。 れみりゃに餡子を吸われ、家族の元へ向かったとか。 あとがき 今回はリベンジものに挑戦したが後半からグダグダに でもそんなベルトを巻きつけられてよくしゃべれるななんて書いてるときに思ってた。 手かそんなベルトあるの? byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん このSSに感想をつける
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前 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくね」 子供らしい素直さで男を迎える子まりさだが、持ち抱えられるときょとんとした顔で男を見る。 「ゆー? おじさん、なにするの?」 「ごめんね。お母さんはまだ赤ちゃんを産まなくちゃいけないんだ。だから、おじさんとゆっくりしようね」 「ゆっくりするね!」 またしても、男は母れいむの前に座ると子まりさに床に落ちているものを拾って、目の前に差し出す。 「ほ~ら、おいしい食べ物だよ。餡子って言うんだ」 二度目のやりとりを繰り返す。今度の場合は餡子の外側の部分が違うだけである。先ほどの子れいむの中身を食べさせているのだ。 子まりさ側からは餡子しか見えないが、母れいむ側からでは死んだ子れいむの顔がよく見えることだろう。 子まりさはそんなこととは露知らず、「おいしーい!」などと言いながら、姉の中身を食べ尽くそうとしている。 「ぎい゛ぃぃぃぃ!!?? だべな゛いでぇ! だべぢゃだべぇぇっ!!」 「ゆゆ? どーしたの!? ゆっくりなかないでね!?」 「お母さんはね、君だけおいしいものを食べているのが許せないのさ。全部、自分にくれって言いたいんだ」 「ゆーっ!? だめだよ! このおいしいあんこはまりさのものなんだから! プンプン!」 母れいむがいくら制止しようとしても、子まりさは止まらない。 逆に止めようとしているからこそ、『おかーさんにあんこをとられる』と思って、さらに食べようとしているのかもしれない。 やがて最後は吸うようにして、子まりさは餡子を食べ終えた。 「ごっくん! しあわせー! ……ゆ?」 餡子が乗せてあったものに三つほど穴が開いている気がつく子まりさ。 男はそれを察して、無言で皮を裏返した。 子まりさは一度「ゆ゛!?」と鳴き、必死で目の前のものが何なのか理解しようとする。 しかし、頭が餡子では思考が現実に追いつかない。いや、現実を否定しようとする。そうでなければいけない。 解ってはいけない。何故なら、それは自分の仲間であるからだ。 突然、皮がべちょりと子まりさの顔に張り付いた。男が手で押したのだ。 「い゛、い゛や゛あ あああ! やべでやべでぇっ! ぐっづがないでぇ!! はな゛……ぎっ!?」 男がここぞとばかりに噛み付く。右手で皮ごと子まりさを抱え込みながら、咀嚼を繰り返す。 子れいむと比べると、種類のせいなのか状況のせいなのか子まりさの餡子はいくらか違う。 子まりさの餡子はさっぱりとして口の中に甘さが残らず、何度でも食べられるような甘味だった。 「あ゛がぢゃあ゛あ゛あん! だべる゛の゛やべでぇぇぇっ!! い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃっ゛っ!!!」 母れいむが叫びながら、激しく震え始める。歯を食いしばりながら、涙もぼたぼたと流れていた。 まさか、と男は驚愕した。これほどの短時間で次の子供を生もうとするとは見上げた精神力である。 おそらく、男が子まりさを食べている間に次の子供を生んで、その子だけはどこかへ逃がそうという魂胆だろう。 顎の穴が徐々に広がり始めたのを見て、男はある決断をする。 「見えるかい? お母さんは君を見捨てて、次の子供を生もうとしている。君は食べられちゃってもいいんだってさ」 「お゛があ゛ざん!? だずげで! ま゛り゛ざをだじゅ!? ぱぴぃ! ぺぽぉ! ぱぴぺてぽぉ!!」 助けを呼ぼうとする合間にも食べられているため、言語がおかしくなってきている。 最早、子まりさ何を言おうとしているのかは誰にも分からない。その意図は伝わっていたとしてもだ。 母れいむは半狂乱の装いを見せながらも、、必死で最後の子供を生もうとしていた。 既に母れいむの中では、子まりさは死んだものとして扱われている。 「ゆっぐりうまれでね!? はやぐうまれでね!?」 自らの身体を揺さぶりながら、矛盾する言葉を吐く母れいむ。 その振動で中にいる子ゆっくりは幾らかの恐怖を感じたが、母の胎内にいる限りは大丈夫だ、という根拠の無い自信があった。 やがて、めりめりと出てくる子ゆっくり。れいむ種である。 男はそれを確認すると、食いかけの子まりさを手に持ったまま、母れいむへと近づいていく。 「ゆっ!? ゆっぐりごないでね! ゆっぐりあがぢゃんをたべででね!?」 「ゆっくり……していってね!」 「ゆ゛っ、ぶぐぉ!?」 顎の穴に目掛けて思い切り、子まりさを捻じり込む。中の子れいむと手の子まりさの顔が触れ合うような形で押し込む。 中からはくぐもった悲鳴が聞こえたような気がするが、男はまったく気にしない。 「いい゛いい゛いい゛い!!?? な゛に゛ずるのぉ!? う゛、う゛まざぜで! あがぢゃんだざぜでぇっ!」 母れいむは出産を中断させられた痛みで絶叫する。口からは泡のようなよだれを振りまいていた。 男は持ってきていた籠の中から、縄を取り出して母れいむの周りを囲むように置く。 次に母れいむの頬の皮を寄せてあげるようにして、顎の穴を無理やり塞ぐ。 「あがっ!? やべで! あがぢゃんでるどご、うめないべぇ!?」 「よいしょっと」 当然、このままでは元に戻ってしまうので、先ほどの縄で母れいむを思い切り縛り上げた。 皮に食い込むほどに力を入れているが、縄が皮を破ることはなかった。男の熟練した技の賜物である。 中から子れいむが出ようとする圧力と、外から縛り上げられる力で母れいむの身体からぎちぎちという音が鳴る。 子供が生めない、子供が死んでしまう、縄が擦れて痛い、人間が怖い、まりさがいない。 それら様々な感情が母れいむの中で渦巻く。やがて、ぷつん、と何かの糸が切れてしまった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛じゃぁぁぁっ!! だずげでま゛り゛じゃ゛ぁ゛ぁぁぁっ!!」 狂ったようにゆっくりまりさの名を呼ぶ母れいむ。本当に狂ってしまったのかもしれない。 男はそん母れいむの様子を見て尋ねた。 「そんなに、ゆっくりまりさに会いたいかい?」 「あ゛い゛だい゛! ま゛り゛じゃに゛あばぜでぇ゛ぇ゛ぇっ!!」 その言葉を聞くと男はよし、と頷いて、持ってきた籠の中に手を入れる。 その中から何かを取り出して母れいむに見せてやる。 「ま゛り゛じゃ゛ああ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ!!?? な゛ん゛で、そ゛ん゛な゛どごろ゛にい゛るの゛ぉぉぉぉっ!!??」 それは餡子が抜けて、半分潰れたような状態になっているゆっくりまりさであった。 ゆっくり魔理沙は傷ついていた。体中に穴が開いており、そこから餡子がはみ出していた。 なんでこんなことになったのだろう、とぼやけた頭で振り返る。 今日はゆっくり霊夢が子供を生みそうなので、簡単に食べ物を探してすぐに帰ろうと思っていた。 子供が生まれる時は一緒にいてあげたいからだ。 その途中で、いつも食べ物をくれるおじさんに出会った。 「おじさん、こんにちは! あのね、そろそろあかちゃんがうまれそうなんだよ! だから、たべものちょうだい!」 ゆっくり魔理沙は嬉しいのと、いつものお礼の気持ちを込めて子供のことを話していた。 おじさんならゆっくりできいてくれて、たべものもくれる、と思っていたのだろう。 そもそも、このゆっくり魔理沙は一度、この男の家に食べ物を探しに入って捕まったことがあるのだ。 その時、ゆっくり魔理沙は泣きながら事情を話した。 「れ゛いむ゛がぁ! あ゛かぢゃんうむがら、い゛っばい゛だべものがぼじがっだんでずぅ!」 そうすると、男は納得して助けてくれた。そしてこんなことを言ったのだ。 「いいかい? もう、人間の家に入っちゃ駄目だよ。食べ物なら私があげるからね」 そう言われて、最初は疑っていたがちゃんと食べ物をもらえたので、ゆっくりできるひとだ、と安心できた。 これ以降、男は基本的には野菜の葉っぱや皮だったが、毎日食べ物をくれた。 そんな食べ物でも、ゆっくり霊夢とずっと一緒にいたいゆっくり魔理沙には、食べ物を探す時間を減らせるのでとてもありがたかった。 そして、たまに貰える餡子が一番楽しみだった。自分一人で食べてしまいたい誘惑を堪えるのに必死なぐらいである。 ゆっくり霊夢も餡子が大好きで、二匹でいつもおいしく食べていた。 出産のためには住む場所を変えた方がいい、と教えてくれたのも男であった。 ゆっくり霊夢には内緒だったが、住むのに適した場所を見つけ、穴を掘るように指示と手伝いもしてくれた。 新しい家にゆっくり霊夢を招待した時は、見栄を張って自分一人で掘った、と言ってしまっている。 それを悪いことだ、と思っていたゆっくり魔理沙は恩返しと罪滅ぼしの意味を込めて、子供のことを話していた。 男はそれは良かった、と頷くと、持っていた籠のようなものを地面に下ろした。 「赤ちゃんが生まれるなら、お祝いをしてあげないとね」 「ゆっゆっ! おいわい! なにをしてくれるの!?」 男が籠の中から何かを取り出そうとしているのを、興奮気味に見ているゆっくり魔理沙。 またおいしいあんこをもらえるかもしれない、などということを思っていた。 「はい、お祝いだよ」 「ゆ、ぐりぃ!?」 勢いよく取り出されたバールのようなものが、ゆっくり魔理沙に振り下ろされた。 どずん! という鈍い音を立てて、ゆっくり魔理沙の穴が開けられる。 「ぎぃい゛いい゛い゛いっ!!?? い゛だい゛ぃ! な゛に゛ずる゛の゛ぉ!?」 突然の凶行に泣き叫ぶゆっくり魔理沙。男はさらに凶器を振るう。 「ほら、ほら、ほら、ほら、お祝いだよ」 「ゆぶっ!? ゆげ!? ゆぎゅ!? ゆあ!? ぶぎ!?」 言葉を発する度に凶器は振るわれる。それは的確にゆっくり魔理沙の身体に穴を穿ち、そこから命の源である餡子が漏れていく。 しかし、完全に死ぬ所まではいかない。男がそう調整しているのだ。 身体にいくつもの穴が開き、餡子が流れ出して段々と平らになっていくゆっくり魔理沙。 これ以上餡子が出ると死んでしまう、という所でようやく暴力は止められた。 「ふう……君たちみたいに言うと、すっきりー! という所かな?」 「どぼっ……じでぇ……なんで、ごんなごどずるのぉ……」 「なんでどうして、ときたか。月並みな言葉だけどね、君たちはもう少し他人を疑った方がいいよ」 心にも無い言葉をかけながら、背負った籠のようなものにゆっくり魔理沙を入れる。 それ以上、餡子が出ないように薄皮一枚分の手当てだけはしたが、そんなものはすぐにでも破れてしまいそうだった。 動けない身体だけどゆっくりしていればだいじょうぶ、と真っ暗な中で耐えるしかなかった。 しかし、それでも自分が長くはないことを、悪い人間に捕まってしまったことも悟っていた。 おじさんが何故こんなことをしたのか、ゆっくりまりさには分からない。 暗闇の中でただひたすらに、れいむがげんきなあかちゃんをうめますように、とまりさは願っていた。 どのくらい経ったのだろうか。ゆっくりまりさには判断がつかなかったが、何度か上の方が明るくなったりしていた。 ゆっくりれいむの声が聞こえたような気もしたが、ゆっくりまりさにはよく分からない。 周りにあるものが色々と上の方に持っていかれていたが、それを追う気力も体力も無かった。 そうやってじっとしていると、ようやくとでも言うべきだろうか、ゆっくりまりさの身体が持ち上げられていた。 急に暗い所から出されたため、眩しくて目を細めていると、聞き覚えのある懐かしい声が聞こえた。 「まりじゃあぁぁぁっ!! あいだがっだよ! まりじゃぁぁぁぁ!!」 母れいむは大好きなゆっくりまりさを見て、歓喜の声をあげる。その言葉だけ聞くと、ほとんどゆっくりありすのようでもある。 ゆっくりまりさの方は餡子が抜けてしまっているため、大きな反応は出来なかったが、それでも力無く笑ってみせていた。 それは、消えかけの蝋燭が最後に精一杯燃え上がろうとしている様に似ていなくもなかった。 「ようやく、お友達に会えて嬉しいかい?」 「ゆ゛っ! まりざからてをはなしてね! ごごはれいむとまりざのおうぢだよ! ゆっくりでていってね!!」 いくらか持ち直したのか、言葉から濁りが少なくなる母れいむ。ゆっくりまりさと出会えたことで色々と記憶が吹っ飛んだのだろう。 もちろん、子供のことすら半分以上忘れてしまっている。 今、母れいむが考えているのはまりさとゆっくりしたいということだけだった。 身重の体を無理やり動かしてでも、ゆっくりまりさに近寄ろうとしている。 男はそれを見て、母れいむの前にゆっくりまりさを置き、それと同時に手早く母れいむの縄も解いておく。 「ゆゆ? おじさんもようやくわかってきたね。さっさとれいむたちのまえからゆっくりきえてね!」 母れいむはケタケタと身を揺らして笑っている。男の行動から、自分が優位に立っていると感じているのだろう。 男は何も言わずにただ笑顔でいる。母れいむの言葉にも怒りを表さず、何かを楽しみに待っているようだ。 母れいむが忘れている存在を、男は覚えているのだ。 「まりさ、はやくふたりでゆっくりしようね! ふたりでゆ゛っ! ぐ、り……!?」 母れいむが大きく震える。震えは止まらず、「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!?」という声と一緒にめりめりという音が聞こえてくる。 縄で閉じられていた顎の穴が再び開き始めているのだ。 ゆっくりまりさは何が起こっているのかよく分かっていない。既に理解できる程度の理性も失いかけている。 「い゛だいいぃぃぃ! ひぎぃ! なに゛!? な゛に゛がでる゛ぅぅぅっ!!??」 「なにって、決まってるだろう? 君の子供さ」 男が親切に説明してあげる。母れいむはその言葉で目を見開きながら絶句する。この瞬間まで、子供の存在は忘却の彼方にあったのだ。 楽しいことは覚えていても嫌なことや痛いことはすぐに忘れてしまうという、ゆっくりの独自の脳構造故だろうか。 一方、ゆっくりまりさは子供と聞いて、弱った身体にわずかばかりの力が戻った。 「ゆっ……? あかちゃん、まりさたちのあかちゃん……」 最早、目も虚ろでかなり弱っていたが子供のことは覚えていた。 母れいむと違って、子供によって痛い目にあっていないからである。 「あかちゃんあかちゃん……」と呟きながら、母れいむの方へ這いずって行く。 ちょうど、顎の穴に向かって進んでいっている 「い゛ぎぃ! い゛だい゛い゛だい゛! はやぐお゛わ゛っでぇっ! ゆ゛う゛っ!!!」 ぐちゃ、っと顎の穴から餡子の塊が吐き出される。男が突っ込んだ子まりさの死骸であった。 その死骸は穴の近くにいたゆっくりまりさに当たった。 「ゅぎゅ! ぶえぇっ!」 子まりさは既に半分以上が食べられており、ゆっくりまりさと比べても四分の一程度の大きさしかなかった。 しかし、その程度であっても勢い良く吐き出されると、ゆっくりまりさには耐えられない衝撃だった。 顔の正面に当たった結果、身体の各所から餡子がはみ出る。 ゆっくりまりさはわずかに呻く程度で、もうその場から動こうとはしない。動けないのだ。 母れいむはその様子を見て、子供を生むとどうなるかを思い知る。 あのぐらいの大きさでもゆっくりまりさが動けなくなってしまうのであれば、子供が当たったらどうなるのか。 「どいで! まりじゃ、そごどいでぇ! ゆぎぎぎぎぃ!! でぢゃう゛! あがざんでぢゃう゛!」 自分が動こうとしても、出産の痛みで動くことができない。無理に動けば、身体が裂けてしまうかもしれない。 完全に行き詰っている。この状態で何とか出来るものがいるとすれば、一人しかいなかった。 「おじざん! たずげで! まりじゃどがぢで! はやぐぅ! ゆっぐぅ!」 出産の痛みに必死で耐えながら、現在助けを求められる唯一の相手に何度も助けを請う。 それでも、男は動こうとせずに見守っている。 「出て行って欲しいんじゃないのかな? 消えて欲しいんじゃないのかな?」 笑いながら、母れいむの言葉を繰り返す。勿論、ゆっくりの頭ではそんなことは覚えていない。 「なんでもじまずぅぅぅ!! なんじぇもじまずがら! ま゛り゛じゃをどがじであげでぇぇっ!!」 「一生のお願いっていうのなら、どかしてあげてもいいよ」 「いっじょうのおねがいでずぅ! いっじょうのおねがいだぎゃりゃ!? ゆぉほう! なががらでりゅ!?」 そこまで言った所で顎の穴から再びめりめりという音が鳴る。 奥の方から徐々に顔をみせつつある子れいむ。母れいむからしてみたら、それは死の予兆以外の何者でもない。 母れいむの思考は「ゆっくりまりさ>あかちゃん」という図式であった。優先するべきはゆっくりまりさである。 あと一人生めばこの痛みから解放される、という抗いがたい誘惑に負けそうになりながらも必死の形相で耐える。 「んほおおおおおお!? お゛ね゛がい゛ぃぃ!? じま゛じゅうぅぅ!! ま゛り゛じゃを゛おごおぉぉ!?」 間断無く襲い来る傷みに耐えながら、出来うる限りの懇願を繰り返す。 本来ならば、ゆっくりは母性によって出産の痛みに耐えるのだが、既に母れいむは子供に対する愛情がなくなっていた。 そうなると、痛みもただ辛いだけのものに過ぎない。 「一生のお願いなら仕方ないね。よいしょっと」 母れいむの必死さと比べると、はるかに軽い様子で男が動く。 ゆっくりまりさの所まで行き、両手で持ち上げる。 「あ゛り゛がどぅ゛! ゆ゛っぐりどがじでぐれで、あ゛り゛がどね゛え゛えぇぇぇ!?」 礼を言おうとした母れいむの顔が一気に引き攣る。男はゆっくりまりさを母れいむの前に置いただけだった。 それも顎の穴の真正面、子れいむが出てくる場所に向かって置き直しただけである。 「あぎいいいいい!! な゛、ん゛、で!? ど、い゛、で! ぞご、ど、が、じ、で!!!」 「このゆっくりまりさを『どかして』あげただろう? 『どこ』かまでは言われなかったから、君の目の前に置いてみたよ」 男は笑顔で言う。母れいむは一度気を抜いてしまったせいか、完全に限界が来ていた。 言葉を喋ることが困難になってきている。呼吸すらも難しくなっているだろう。 やがて、それは決壊した。 「ゆ゛ぶっ!! う゛びゅ!! でりゅ……! ぎぶう゛う゛う゛ううう゛ぅ゛ぅぅっ!!!」 ぽーん、と子れいむが排出される。子れいむには穴の奥から外の状況は見えていた。 見えていたが、皆が何を言っているのかはよく分かっていない。 きっと、どうやってゆっくりするのかきめているんだ、などと夢想していた。 めのまえににいるゆっくりまりさはきっとおとーさんで、れいむがうまれるところをみててくれているんだ、と勘違いもしている。 だから、真っ直ぐに親の胸へ飛び込むように、ゆっくりまりさの所へ向かっていった。 「だべえ゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇぇぇっ!!! 母れいむは一瞬だけ歓喜の表情を浮かべていたが、すぐにそれも消え去って、思い切り叫ぶ。 だが、その叫びを聞いても子れいむは止まらないし、止まれない。 そして、ゆっくりまりさも目の前に迫り来る自分の子供に対して、回避する手段を持たなかった。 状況もろくに判断出来ていないが、その顔は生まれてくる子供を祝福するように微笑んでいる。 ゆっくりまりさの顔に子れいむが直撃する。何か言葉を出すことすらなく、餡子が辺りに飛び散った。 「………………」 「ゆゆゆ……ゆっくりしていってね!」 母れいむは呆然としていた。愛しいゆっくりまりさがいれば、他には何もいらなかったのに。 出産に伴う痛みも無くなったため、母れいむは何も感じなくなっていた。 逆に子れいむは初めて外の世界に出れて、思う存分ゆっくりしていた。 先ほどぶつかった「おとーさん」がなんだか平べったくなっているのが気になったが、大丈夫だろうと思っていた。 「ゆっゆっ♪ おかーさん。おかーさん♪ ゆっくりしようね!」 ニコニコしながら、母れいむに身体をすり寄せる子れいむ。母れいむは呆然としたまま、そちらを見る。 子まりさとゆっくりまりさから、餡子を浴びたゆっくりがそこにはいた。 「!? あっぢにいっでね! まりじゃのあんこをたべぢゃっだわるいこはじね゛!!」 身体を思い切り揺らして、子れいむを引き剥がす。 事実はそうではないが、母れいむにはゆっくりまりさを食べてしまったようにしか思えなかった。 もしくは、子れいむがいたからゆっくりまりさは死んでしまったとまで感じている。 「ゆにっ!? どーしたの、おかーさん? ねぇねぇ、どうしたの?」 「ゆっぐりぃ!!」 再び寄って来る子れいむを思い切り吹き飛ばす。 餡子まみれになりながら、純真とすら言える笑顔で迫ってくる様子は母れいむにとって恐怖以外の何者でもなかった。 吹き飛ばされた子れいむは、まさかそんなことをされるとはまるで思っていなかったらしく、びぃびぃと泣き始める。 「おがーざーん!! どうぢでこんなことするのぉ! いっじょにゆっくりしようよぅ!」 母れいむの周りを飛び跳ねながら訴える。その姿は愛らしくもないのかもしれない。 それに対して、怒号をもって母れいむは応えた。 「あっぢにいげぇ!! まりじゃをごろじだやづは、ゆっぐりじね!!」 「ゆっっぶ! ゆぐぅ……」 弾き飛ばされた子れいむが家の内壁に当たった。そのまま、気絶してしまったようである。 母れいむはそれを見て、泡を吹きながら喜ぶ。 「ふへっ、ゆへへへへへへへ! まりぴゃのかちきはとったよ~。みんな、み~んなやっつけてやったじょう!」 「今、吹き飛ばしたのって君の子供、赤ちゃんだよ」 間髪入れずに男が口出しをする。狂ってしまった母れいむにも分かるよう、赤ちゃんという言葉を使う。 「ゆぎっ? こんなのれーむのあかちゃんじゃ、ないよー? なに、いってるんだろーね、おかしーよ」 母れいむは呂律が回らないという状態ですらなく、言葉の発し方が不自然になっていく。 それほどに可笑しいのか、身体全体を激しく震わせるようにして耳障りな音を発しながら笑っている。 「その赤ちゃんを生んだのは君で、生んだせいで君のお友達のゆっくりまりさも死んじゃったんだよ」 「ゆぴきききき! ぞんな、ごど、あるわげないびょ? ゆふぇふぇふぇ!」 最早、笑い声なのかどうかすら良く分からなくなっている。それでも、男はさらに続ける。 「君のせいで、ゆっくりまりさは、死んじゃった」 「ゆ゛いいいぃぃぃい゛っぃぃい゛い!! うるざい! も゛う゛い゛い゛! ざっざどでべっでね゛!」 「駄目だ……完全に壊れちゃったか。ま、しょうがないかな」 やりすぎたなぁ、と独り言を呟きながら、母れいむの口に大きい針のようなもので穴を開ける。 「ぶぎっ! な゛に゛ずるびゅ!」 痛みを訴えるが、無視してその穴に縄を通していく。勿論、煩いので喋らせないようにするためである。 「餡子の量も減ってるみたいだし、これなら持って帰れるかな……」 軽く持ち上げたりして、重さを量る。無理だったら引きずればいいだけのことでもある。 これだけ成熟したゆっくりならば、胎内出産にも蔦出産にも耐えられるだろう、と男は判断している。 先ほど食べた餡子の味を再び味わうためにも、この母れいむを持ち帰る気なのだ。 気が狂っていても餡子を生むことは出来る。このまま、男専用の饅頭生産機にする気であった。 「おっと、こっちも忘れないように……」 壁にぶつかって気絶している子れいむも籠の中に放り込んでおく。 明日、食べるために取っておくか、それとも種馬として躾けてもいいかもしれない。 親と子供を交配させるとどうなるのだろう、と素朴な疑問を試すのも手である。 「それじゃ、ゆっくり一緒に帰ろうか」 「…ゅ……ゅっ! ……ゅ……っ!」 何か喋ろうとしているがよく分からない。狂ってしまった者の言葉など聞いても意味がないだろう。 男が話しかけたとしても、それはほとんど独り言に近い。一方的に用件を伝えているだけだった。 これからはおいしい餡子が食べられる、と思うと男の足取りは自然と軽いものになっていた。 狂った母れいむは何がどうなったのか、良く分かっていない。分かろうともしない。 男の家に連れてこられても、鎖で繋がれても、どこにいようと意味が無かった。 母れいむはゆっくりまりさがいる幸せな幻想の中で、いつまでも過ごしていたからだ。 子供を生んでも、子供に交尾されても、幻想の中でゆっくりしていた。 子供が生めなくなったために捨てられても、ずっとずっと変わらずにゆっくりしている。 口の縄を外されたので、喋れるようにはなっているが、それもまったく意味が無い。 捨てられた場所はゴミが集められている所で、とても汚くて臭いが、それも母れいむに変化をもたらすことはない。 「ゆび……ゆぎいひひひ……まりじゃ、まりじゃぁ……」 今日も今日とて、母れいむは汚濁の中で『幸せ』に浸っているのであった。 餡子が尽きるその日まで。 めでたし、めでたし 後書き AAの「出産しているゆっくり」があまりにもウザかったので書いてみました。 けっこうすっきりできたよ! 後半、というかオチの付け方にはかなり迷った結果、完成にかなり時間がかかったなぁ…… そして、色々な出産系のSSが多くて投下するタイミングを見失ってました。 というか、書こうとしてたことがAAでも再現されてたのはビックリ。職人すげえ。 一応、書いたSSをまとめておきます。 ゆっくりいじめ系110 「髪飾り」 ゆっくりいじめ系136 「働きゆっくり?」 ゆっくりいじめ系137 「ゆっくりまんじゅう」 ゆっくりいじめ系153 「ゆっくり調教師 前編 」 ゆっくりいじめ系154 「ゆっくり調教師 後編」 名前はゆっくりまんじゅうの人でお願いします。 このSSに感想を付ける